コーチングの技術、「質問」について学ぶ(その4 最終回)
春めいた空気を感じられる週でしたが、いかがお過ごしでしょうか?
やはり、、、、と想定はしていたものの、衝撃的なニュースは、
日本の出生率の7年連続低下です。
コロナ禍の影響があったとはいえ、日本の人口の自然減
78万人という数字にも驚きでした。
私が住んでいる東京都多摩市の人口は約15万人なので、
この5倍にあたりますし、自治体の人口を調べてみると、
78万人って、浜松市や新潟市に匹敵するのですね。
その規模の人口が一年で消失しているわけです。
世界人口の減少は進行していて、今世紀中に増加は
頭打ちになると予想されていますが、日本の少子化は
世界を遥かに上回るスピードで進んでいるそうです。
国の危機ですね。
子どもを産むというのは人生の大きな選択ですし、
それに影響を与える要因も様々ですから、少子化問題に
ついて安易にコメントすることは控えますが、既に高齢の域にある
自分にも「何か出来ることはないか」と思わずにいられません。
そう、何かできるはず。
さて今回も、引き続き重要なコーチング技術である
「質問」についてお話を続け、4回にわたった
このテーマを締め括りたいと思います。
~~ 質問のチャンクを考える ~~
「チャンク(Chunk)」とは、聞き慣れない言葉かも
しれませんが、塊(かたまり)という意味で、ものごとを
とらえる大きさ、質問の切り口の大きさを意味しています。
質問では「ビッグチャンク」「ミドルチャンク」「スモールチャンク」
という3つの大きさを持って考え、大きくなるほど、抽象度が
高く、小さいほど具体性が増します。
これらの間に明確な境界線が定められているわけでは
ありませんが、話題の大きさや抽象度、具体性について
共通の理解をしたり、リクエストをしたりする際に、使われる
考え方です。
このチャンクの大きさを上げることをチャンクアップ、
下げることをチャンクダウンと言います。
抽象度をあげたり、「要するに」とまとめたりするのが
チャンクアップ。
「具体的に言うとどんな?」がチャンクダウンにあたります。
例えばチャンクダウンでは、
- ビッグチャンク → 職場の雰囲気が暗いことが問題です。(チャンクダウンして、「例えばどんな時にそう感じるの?」
- ミドルチャンク → 朝の挨拶が無いんですよ。(さらにチャンクダウンして → 「いつも?特定の曜日?特定の人?」)
- スモールチャンク → 月曜日。特に休日出勤者が多いサポートチームの人が殆どかなぁ。
・・・と、望洋とした問題の根っこを探る質問になります。
チャンクアップの例だと、
- 「様々な希望や夢について率直を話してもらったけど、それはどの様な目的に繋がっているものなんだろう?」
- 「この状態を一言で表すと、何ていうことができる?」
- 「どういうイメージなんだろう?」
となり、チャンクダウンと同様に、視点が変わるきっかけになります。
~~ 質問を共有する ~~
ここまで、質問の作り方を始め、様々な質問技術を
お話してきましたが、実際の質問はどの様に行われるのでしょうか?
相手の考えや行動に、何を生み出したいのか?という
質問をする目的を意識して、準備することは大切です。
例えば、
考えを整理する、 リソースを探す、 未来を予測する、
視点を変える(高さ、角度、チャンク)、 価値観を知る、
アイデアを出す、 目標を設定する、 知識・スキルの棚卸し、
選択肢を増やす、 モチベーションを上げる、 具体的にする、
イメージをつくる、 モデルをみつける、
等です。
では、こうして準備した質問をどの様に投げかけますか?
全て記憶して、会話の中に自然に織り込む。
質問を書いたメモを用意して、机の下や、リモート会議の
カメラの届かないところで、こっそり見ながら質問する。
などが考えられますが、
私のお勧めは、
- 作って来た質問表を堂々とテーブルに置き、相手と一緒に眺め、
- 「これは、あなたのために考えてきた質問です。やってみましょうか。リラックスして考えて、答えてみて下さい。」
というやり方です。
実際、私のコーチングセッションでは、
「今日はいくつか質問を用意してきましたよ」と、最初にお話する
ことが多いです。
尋問ではないのですから、相手から違和感を持たれたり、
拒絶されたりすることはありません。
質問が持つ力(考えさせる)が共有されていれば、
それらの質問を受けることは、むしろ楽しみになるかもしれません。
チームでの質問の共有も同じ効果があります。
質問に対して皆で考えることで、一体感が生まれます。
個々の意見を発表し、対話によって相互の考えの違いを
認識し、次のアクションへのアイデアが生まれるかもしれません。
ビッグチャンクでは、
- 「私たちは、この仕事を通じて社会にどの様な価値を
生み出しているのだろうか?」 - 「このチームの将来像はどの様なイメージだろう?」
スモールチャンクでは、
- 「今月の売上目標達成のために、今から出来ることは何だろう?」
- 「このお客様のクレームに対して、我々は何を考えねばならないだろう?」
という具合です。
問いの共有は、コミュニケーションを活性化させる働きをします。
組織全体で、上司部下の関係で、部門間で、問いが共有されていれば、
それに対して「自分の立ち位置はどこか」「自分がすべき意志決定は何か」
「自分はどの様なアクションをとるべきか」を知るために、能動的な
コミュニケーションが生まれます。
「質問」が組織で共有されることによって、未来へ向けた組織テーマをさぐる
ヒントを与えてくれかもしれません。
4回にわたってご紹介してまいりました「質問」について、
細かい技術を上げればお話は尽きないのですが、一旦ここで区切りましょう。
次回からは、コーチングの効用についてのお話をしていきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。