対等な関係で会話を進めるためのコミュニケーション技術
谷村新司さんのご逝去、残念でなりません。
まだお若いと思っていたので驚きでもありました。
ニュースでは、遺された数多くの名曲と共に晩年の
社会貢献活動が紹介されていました。
同時に、谷村さんの言葉に影響を受けたり、
元気づけられた人達のインタビューも。
私は、ラジオ深夜放送が大きな楽しみだった世代の
ひとりですので、谷村さんといえば
文化放送の深夜番組「セイ!ヤング」
のパーソナリティーとしての活躍が思い出深いです。
馬鹿話、エロ話も満載でしたが、深夜放送という媒体は、
当時の若者にとって率直な思いや悩みを共有できる、
そして共感が生まれる場でもありました。
谷村さんが当時パーソナリティーとして浴びた言葉の数々は
後年人を元気づける言葉を創る一端になっているのかな?
あの情景が浮かぶような歌詞を生み出す力になっているのかな?
そんなことを思った次第です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
さて、先週のメルマガで「職場でのコーチングが効果を
発揮しづらい理由は、立場上完全に対等の関係をつくる
ことが難しいから」というお話をしました。
この課題に対するコーチング技術について少々お話を
してみたいと思います。
~~ 遠慮、忖度、で始まる職場のコーチング ~~
先週のおさらいです。
こんなお話をしましたね。
職場には必ず組織の上下関係が存在します。
そこで、職場で上司が部下に対してコーチング
(コーチング技術を使った1on1ミーティングではなく、
純粋にコーチングです)を行うのはかなりチャレンジなこと
になってきます。
何故なら、コーチングは「コーチとコーチングを受ける側が
完全に対等である」ことを前提をしているからです。
「コーチングの間は、完全に対等だからね。」と、
上司が説明しても、職場は階層の上に成り立っている
わけですから、部下の心理としても急に対等な関係に
気持ちを切り替えるのは至難の業です。
・・・と。
そうなのです。
そして気持ちの切り替えなど出来ないまま、
コーチングセッションが始まるわけです。
ですから部下の潜在意識の中に、
- まずいこと言って雰囲気悪くしたくないなぁ
- 何か評価につながる様な発言は避けよう
- 上司の意見に逆らうと危険だろうなぁ・・・
- 穏便に、問題ない応答をしておこう
等々の気持ちが芽生えてきます。
無意識の力が、遠慮、忖度、心配を生み出し
本音の対話を妨げていきます。
~~ メタコミュニケーションを使う ~~
コーチ役の上司は、コーチングセッションを
進める上で、部下の気持ちの中に常にこうした
意識や無意識があることを想定して対話を
進める必要があります。
そこで行って欲しいのが、
メタコミュニケーションです。
「メタ(meta)」とは、「高次元の」、「超越した」
という意味で、対象をその外側に立って見ることを
意味します。
ですので、メタコミュニケーションとは、
「相手と行っているコミュニケーションを外側から見てみる」
ということです。
「相手の立場に立って考えてみる」という発想と
似てはいますが異なるものです。なぜなら、
メタコミュニケーションで俯瞰しているのは「対話全体」
であり、よってコーチは次の様な質問を発するからです。
「私たちの関係は今どの様な状況だと感じていますか?」
「私たちの会話はどこへ向かっていると思いますか?」
「私たちは今、何を目的にコミュニケーションしているのでしょう?」
「今、どのくらい正直に答えていると思いますか?」
「私の質問の仕方はどうですか?わかり易いですか?」
などです。
ちょと突飛な質問ですよね。
相手の答えは、例えばこんな風になるかもしれません。
「私たちの関係は今どの様な状況だと感じていますか?」
→ 「やはりまだ上下関係を意識してしまいますね」
「私たちの会話はどこへ向かっていると思いますか?」
→ 「色々なアイデアが出て来たので良い方向へ展開
していると思います」
「私たちは今、何を目的にコミュニケーションしているのでしょう?」
→ 「そうですね。最初のテーマから少し外れてきたかも・・・」
「今、どのくらい正直に答えていると思いますか?」
→ 「100%正直!と言いたいところですが〇〇の話題では
少々立て前が先行したかもしれません」
「私の質問の仕方はどうですか?わかり易いですか?」
→ 「質問の内容はわかるのですが、正直、答えるのに
考えてしまいますね。そういう意味で難しいかも・・」
と、、、こんな風にスラスラ答えが出てくればしめたものですが、
メタコミュニケーションですら、遠慮や忖度の影響は受けるものです。
しかし、コーチングのコミュニケーションを一旦俯瞰して、
コーチ役が突っ走ってしまうのを防ぎ、部下の本音を引き出すために
有効です。
そして、なによりもコーチ役が落ち着ける。という効果があります。
このメタコミュニケーションは上司、部下の間のコーチングセッション
のみならず、様々なところで有効です。
例えばミーティングの場で、議長やファシリテーター役は
既に行っていることだと思います。
- 参加者から率直な意見が出ているか?
- ある部門からの発言が少ないのでは?
- 議論がテーマを外れつつあるなぁ。
- 結論を出すまでの時間があまり残っていない。
など・・・無意識のうちにやっていることかもしれません。
また、ご家族、友人とチョッと真面目な会話をする
機会でも活用できますね。
今、自分はどんな顔をしているかな?
お互いの話は噛み合っているかな?ズレているとしたら何故?
相談しようとしたテーマに沿って会話が進んでいるかな?
ちょっとここで一呼吸いれた方がいいかも
など・・・
様々な状況で、メタコミュニケーションの活用を考えてみてください。
今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。