マイクロ アグレッション ~ 気づかないうちに誰かを傷つけていませんか?

この記事はこちらのVlogの文字起こしです。
動画も是非ご覧ください。


皆さん、こんにちは。安藤秀樹です。

前回は、コミュニケーションの重要性についてお話しました。

今回は、そのコミュニケーションの中で、今静かに注目されているキーワード「マイクロアグレッション」を取り上げたいと思います。

マイクロアグレッション、直訳すると「小さな敵意、小さな攻撃」です。パワハラのように分かりやすい暴言や強制ではありません。

パワハラは言動としてわかりやすいので、「それ、パワハラですよね」と即注意を促したり、
「パワハラはいけないこと」と、共通認識を広めることも出来ます。

一方、マイクロアグレッションは「悪気はないのに、相手を傷つけてしまう小さな言動」のことです。

自分では気づかないうちに、相手の心にちょっとした影を落としてしまう。
これがマイクロアグレッションの怖いところですね。

具体的な例を挙げてみましょう。

外国にルーツのある同僚に「日本語、お上手ですね」と繰り返す。
褒め言葉のつもりでも、相手には「あなたはここの人間ではない」というメッセージとして届くことがあります。

お子さんのいる女性社員に「今は責任ある仕事は難しいでしょ」と決めつける。
本人の意欲や能力ではなく、属性で判断してしまっています。

若い社員に「Z世代は打たれ弱いから」と、ひとくくりにする。

シニア社員に「DXは苦手でしょ」とか、「もう定年近いんだから無理しなくていいよ」
と年齢で能力を推測する。これも同じです。

また、採用面接で出身地を尋ねることは今やタブーとされていますが、これもマイクロアグレッションの一例です。

言葉以外にも、会議で同じ意見を言っても、特定の人の発言だけスルーされる。
在宅勤務者や派遣社員だけ、雑談の輪に入れてもらえない。

こうした「なんとなく扱いが軽い」状態も、れっきとしたマイクロアグレッションです。

いずれも「冗談のつもり」「褒めたつもり」でも、属性でひとくくりにされた側は、じわじわと疲弊
していきます。そして、職場の心理的安全性が静かに損なわれていくのです。

では、どうすれば防ぐことができるでしょうか?

まず大切なのは、「自分も加害者になり得る」と自覚することです。

誰でも無意識の偏見、いわゆるアンコンシャス・バイアスを持っています。
「自分には偏見はない」という思い込みを手放すことが、スタートラインです。

次に、属性のラベルではなく「一人の人」として見ること。
「お子さんがいるから忙しいはず、手が回らないはず」と決めつけるのではなく、
「今、どんな働き方がしやすいですか?」と、その人自身に聞く姿勢が大切ですね。

そして、発言前に一呼吸おいて自問してみてください。
「これは属性を前提にしていないか?」
「相手に勝手なレッテルを貼っていないか?」
「自分が言われたらどう感じるか?」

この一瞬の習慣が、多くのマイクロアグレッションを防いでくれます。

さらにありますよ。

もし誰かに指摘されたときは、「そんなつもりじゃなかった」と防御するのではなく、
「教えてくれてありがとう」と受け止めてください。
その一言が、信頼の回復につながります。

職場全体で取り組むなら、マイクロアグレッションをテーマにした研修や対話の場を設けること、
違和感を安心して言葉にできる文化をつくることが重要です。

ここまでの話を聞くと、

何もそんなに神経質にならなくても・・・
いじられキャラで喜んでいる人もいるよ。
昔はこんなこと気にしなかったよ。
以前の職場では問題無い会話だったよ。

と、思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、コミュニケーションとは、言葉を交わすことだけではありません。
相手がどう受け取るかまでを含めて、はじめてコミュニケーションと言えます。

問題無い!と思っているのはあなた側のことであって、必ずしも相手も同意しているわけではありません。

自分の言葉が誰かの心に小さな傷を残していないか、今日から少しだけ意識してみてください。
その積み重ねが、お互いが安心して働ける職場をつくっていくのだと、私は信じています。

今回は「マイクロアグレッション」についてお話いたしました。

ではまた次回、お会いしましょう。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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