問いかけの力
この記事はこちらのVlogの文字起こしです。
動画も是非ご覧ください。
おはようございます! 一人で悩まないリーダーシップを。プロコーチ、安藤秀樹です。
今朝のテーマは「問いかけの力」です。
「なぜうちの部下は指示待ちばかりなんだろう?」って思ったこと、ありませんか?
しかし、相手に変ることを期待する前に、あなたの方のアプローチ、つまり問いかけ方や言葉選びを変えてみませんか?
それによって、驚くほど部下が自発的になったという例は少なくありません。
コーチングでよく言われる「質問の力」が発揮されるところです。
脳科学の研究によると、人間の脳は「質問されると必ず答えを探そうとする」という性質があるそうです。これを「クエスチョン・フォーカス効果」と呼びます。
つまり、適切な質問をすることで、相手の脳を自然に「考えるモード」に切り替えられるんですね。
例えば、指示型だと「このプロジェクトはこうやって進めてください」。
すると部下は「言われた通りやればいいんだな」と考える。
でも質問型だと「このプロジェクトを成功させるには、どんなアプローチが効果的だと思う?」って聞く。
すると部下は「うーん、どうすれば成功するだろう? A案、B案…」と自分で考え始めるんです。
この違いが、指示待ち人間と自発的に行動する人材を分けるんですよ。
国際コーチ連盟にコーチングの定義ってのがあるのですが、それによると、コーチングとは
「クライアントが自分自身の答えを見つけることをサポートするプロセス」なんですね。
故に、優れたリーダーは答えを与えるんじゃなくて「正しい質問をする人」なんて言われていますね。
著名な研究機関のリサーチでは、コーチング型リーダーシップを実践するマネージャーがいるチームは、他のチームと比べて、パフォーマンスが23%、エンゲージメントが67%も向上しているそうです。
では、どんな質問をすればいいのか。部下のタイプ別に考えてみましょう。
まず、慎重派で完璧主義のタイプ。
なかなか行動に移せない人ですね。
この人には「いつまでに完成させる予定?」じゃなくて、「まず最初の小さな一歩は何だと思う?」とか「100点でなくても、70点の状態ってどんな感じ?」って聞くことが効果的です。
次に、積極派で行動タイプ。
すぐ動きたがるけど、計画性に欠ける場合がある。
この人には「もっと慎重に考えてみたら?」よりも、「そのアイデア、実現するために」
あるいは成功の確立を上げるために必要なことはなんだろう?」
これも良い質問ですね。
そして分析派の思考タイプ。
考え込み過ぎて行動が遅れがちな人。
この人には「分析した結果、一番有望な選択肢は?」とか「あと何が分かれば、行動に移せる?」っていう問いかけがいいでしょうね。
さて、問いかけのスキルには段階があります。
まず基本は「オープンクエスチョン」。これは「はい・いいえ」では答えられない質問のことです。
もちろん、マネージャーの役割としてタスクの進捗確認は必要なので、「どう順調に進んでる?」
と確認する質問は「あり」です。
しかし、上手くいってる? 解決した? できた? 予定どおり? 手伝いが必要?とか、
回答が「はい」「いいえ」あるいは、「まぁまぁです」「はい、なんとか」と相槌の様な返事で会話が終わる様な質問では、相手に考える力が生まれません。
「完了まで、今何パーセントくらい?」
「足りない20%はどうしたら埋まる?」
「今、最優先に置いている作業は何?」
「今、一番気掛かりな点は何?」
「仕事のスピードを上げるためにどうしたらよいだろう?」
「残業無しで遂行するためには何が必要?」とか。。。これがオープンクエスチョンです。
次に覚えておきたいのは、「未来志向」の質問。
「なぜうまくいかなかったの?」じゃなくて、
「理想的な状況ってどういうものだろう?」
「6か月後、この件が成功していたら、何が変わってると思う?」
こんな風に聞くんです。
さらに応用編として、イメージに働きかけて「気づき」を促す質問があります。
「もしあなたがお客様だったら、どう感じると思う?」
「もし、何の制約もないとしたら、どんな選択をする?」
この様な質問で、部下が自分では気づかない視点に気づけるんですね。
毎日使える魔法の質問を5つ紹介します。
一つ目、「どう思う?」。最もシンプルで強力な質問です。
二つ目、「他には?」。最初の答えで満足せず、さらに深い思考を促します。
三つ目、「具体的には?」。抽象的な答えを具体化します。
四つ目、「それって、あなたにとってどんな意味がある?」。個人的な関連性を見つけさせます。
そして五つ目、「次は何をする?」。思考から行動への橋渡しをする重要な質問です。
部下が失敗したときはどうするか。
従来なら「なぜこうなったの? 次は気をつけて」って言いますよね。
さらに、「いつもあなたは!」とか、「何度いったら!」とか、
「どれだけ迷惑かけたかわかってるのか!」とか、
怒りの感情をぶつけてしまうこともあるでしょう。
一呼吸置いて「問いかけ」ましょう。
まず「今の気持ちはどう?」って。
相手の感情を(おそらく反省、自己卑下、後悔などネガティブな気持ちで一杯でしょうけど)言語化させて、それを受入れるんです。
程度の差はあると思いますが、「そこまで自分を責めることはないだろうに」というレベルから
「ホントにそうだよな。」と。
そして「この経験から学べることは何だと思う?」と問いかけ、
最後に「次回、同じような状況になったら、どう対応したい?」って聞くんです。
上司の怒りの場から逃れたい、と思えば心の扉も脳のシャッターも閉まったままですが、
こうした問いかけを受ければ、かなり真剣に考える機会になると思います。
ギャラップ社の調査では、「上司が自分の意見を求めてくれる」と感じている社員のエンゲージメントは、そうでない社員の3倍高いそうです。
ただし、注意すべきNGな問いかけもあります。
「○○した方がいいと思わない?」みたいな誘導質問や、
「なぜ、なぜ、なぜ」って詰問調になること。これは避けたいですね。
今週末、ちょっと考えてみてください。
来週、部下と話すときに、アドバイスしたくなる場面で一度立ち止まって「あなたはどう思う?」って聞いてみるんです。
きっと、予想以上に優れたアイデアが返ってくるはずですよ。
優れたリーダーは、答えを知っている人じゃありません。部下の中にある答えを引き出すのが上手な人なんです。
あなたの問いかけが、部下の可能性を無限に広げる鍵になります。
今週も一週間、お疲れさまでした。良い週末を!