聴く力でチームパフォーマンスはアップする

この記事はこちらのVlogの文字起こしです。
動画も是非ご覧ください。


おはようございます! 一人で悩まないリーダーシップを。プロコーチ、安藤秀樹です。

今朝のテーマは「聞く力」です。

「リーダーになったら、言語化能力を磨いて、雄弁にならなくちゃ」「指示を出すことが役割だ」「部下達に対して答えを持っていなきゃいけない」

そんな風に考えていませんか?

実は、優れたリーダーほど「聞くこと」に多くの時間を費やしているんです。

ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、積極的傾聴を実践するリーダーがいるチームでは、チーム満足度が23%、創造性が25%も向上しているそうです。

しかも、離職率は40%も減少するんですね。

つまり、聴く力は単なるコミュニケーションスキルじゃなくて、チーム全体のパフォーマンスを劇的に改善するマネジメントスキルなんです。

ところで、日本語には「聞く」と「聴く」という2つの表現がありますよね。リーダーに求められるのは「聴く」の方です。相手の言葉の奥にある気持ちや意図を理解しようとする、あの「聴く」です。

『7つの習慣』のスティーブン・コヴィーも「理解してから理解される」という原則を提唱しています。まず相手を深く理解することで、初めて自分も理解してもらえるようになる。これ、本当にその通りだと思います。

しかし、新人リーダーが陥りがちな罠があるんです。

一つ目は「答えなければ症候群」。

部下が質問してきたら、すぐに答えを出さなきゃと焦ってしまう。でもこれ、実は部下の成長機会を奪っているかもしれません。

二つ目は「時間がない」という思い込み。マッキンゼーの調査では、上司が自分の話を聞いてくれると感じている社員の生産性は、そうでない社員より平均で31%高いんです。つまり、聞く時間を惜しむことで、結果的により多くの時間を失っているということなんですね。

例えば1on1ミーティング、これは今回のテーマではありませんが、正に部下の話を聴くための時間です。時間が無いと思わずに、リーダーの仕事の時間割に聴く時間を組込み込んでいる具体例です。

三つ目は「自分の経験を語りたい」衝動。部下の話を聞いていると、つい「私の場合は」と自分の経験談を話したくなる。これ、相手の話を遮断してしまう危険な習慣なんです。そして、自分の経験を語りたいと思って、経験の引き出しから言葉を選んでいる間は、実は相手の話を聴いていないことにもなるんです。

では、普段どの様な心がけが必要でしょう。実践的な方法を3つお伝えします。

まず基本の傾聴スキル。体全体で聴きましょう。パソコンのキーボードや、スマホから手を離す。相手の方に体を向ける、アイコンタクト、睨むんじゃないですよ、適度なアイコンタクトを保つ、これは基本姿勢です。

そして、ここで学んで頂きたい傾聴は、アクティブリスニング、相手の話に意識を集中されることも大事ですが、それよりも相手の発話を促すという考え方です。

人は自分の考えを言語化することで、視点が動いたりアイデアが生まれたりします。ですから、話を促す、沢山話をさせるということは、相手の成長に繋がるんですね。

そのために、うなずきや相槌で反応を示す。これ大事ですね。

それから「オウム返し」も効果的です。部下が「今のプロジェクトが思うように進まなくて」と言ったら、「プロジェクトが思うように進まないんですね」と返すんです。

単純に聞こえますが、相手は「聞いてもらえている」と感じるんですよ。

次に、感情を読み取ること。言葉の内容だけじゃなくて、相手の感情にも注意を向けましょう。

「実は困っているように聞こえるんだが・・・」「その点を心配しているんだね」

こんな言葉を使うと、相手はより深く話してくれるようになります。

そして三つ目、適度な質問です。前回のメルマガでご紹介した、クエスチョンフォーカス効果ですね。

新人リーダーが陥る罠の一つ目にお話した「答えなければ症候群」を解消する手段でもあります。ひと呼吸、間をとって適切な質問をしてみるのもよいですね。
しかし、質問の連発や詰問になるのはNGです。

「具体的にはどのような状況ですか?」「それについてどう思いますか?」「理想的にはどうなればいいでしょうか?」こんな質問で、より深い理解が得られます。

先ほど1on1ミーティングについて触れましたが、グーグルが実践している1on1ミーティングでは、マネージャーの70%の時間を「聞くこと」に使うことを推奨しているそうです。30分のミーティングなら、21分は聞く時間なんですね。

聞く力がもたらす変化は本当に大きいです。

チームの心理的安全性が向上して、メンバーが安心して意見を言えるようになる。

部下が考えを言語化し、モノの見方や問題解決の糸口を探せるようになる。

そして、リーダーが一方的に話していては得られない、現場ならではの貴重なアイデアが生まれてくるんです。

ここまでお話をしてきて、気になるのは、一番目に上げた「答えなければ症候群」ではないでしょうか?

質問をして部下側に「考えるバトンをわたす」のはよいのですが、「アドバイスを頂きたいのですが」と答えを求められるコースもあるでしょう。

ここで理想的な答えやアドバイスが浮かべば「こうしてはどうだろう」と回答することはできますが、気の利いた答えが見つからないこともありますよね。

その様な時に注意すべきは、「その場凌ぎ」や「表面的」な答えで応じないことです。

わからない、自分にも経験がない、似たような経験があるがこのケースにあてはまらないかもしれない・・・

と、正直に伝えることです。

そして、「一緒に考えてみよう」と語りかけることです。

一緒に考えるためのアイデアの多くは部下から出てくるはずです。

「実は・・」とか「関連する話なんですが・・」とか。

部下だって、上司が神様の様に万能であるとか、AIの様にホイホイと言葉を返してくれると思っていないはずです。

先ず、しっかり話を聴いてくれて、おざなりの回答をせず、正直に「分からない」と言ってくれて一緒に考える姿勢をみせてくれる上司に信頼を寄せるはずです。

知ったかぶりや見栄は、聴く姿勢には必要ありません。

部下に対して答えられない難問にぶつかったら、そのことについて真剣に勉強する機会ですよね。

『リーダーシップ・チャレンジ』という本の研究では、尊敬されるリーダーの特徴として、誠実性、将来へのビジョンを描くことに続いて、傾聴力が3番目に挙げられているんです。

あなたの聞く力は、チームの未来を変える力です。今日も、耳を澄まして、心を開いて、チームの声に耳を傾けてみてください。

それでは、良い週末を!

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする