自己信頼感を生み出す「自分へのかかわり方」

あちこちで話題になっている ChatGPTですが、
メルマガの冒頭の文が作れるかどうか?
こんなことを訊ねてみました。
「今週の日本のニュースを交えた、気の利いた挨拶文を
200文字以内で作ってください。」

すると、
「こんにちは!今週の日本のニュースは多岐にわたっています。」
から始まり、政治、スポーツ、お天気の短いニュースが並び、
「これからも、日本のニュースに注目しながら、お互いに励まし合い、
前向きに過ごしていきましょう!」で結ばれた、
232文字の文が出力されてきました。

確かに、私のリクエストに対しては間違った答えではありません。
大したものです。
しかし、このままでは使えないのは明らかです。
何故なら、感情が表現されていないからです。

そこで、「感情を交えた挨拶文を作ってください。」と
リクエストに加えると、嬉しいとか、残念とかの言葉が
入ってきました。それでも及第点はあげられません。

こうした試行錯誤で遊びだすとキリがないですが、
今のところAIでメルマガを書こうという気は毛頭おきませんでした。(笑)

さて、引き続きセルフイメージがテーマになりますが、
今週は「自己信頼感」です。
簡単に言えば、「自信を持つこと」ということですね。
コーチングの視点から、お話をしていこうと思います。

~~ 「自分が自分自身にかかわる」ということ ~~

自己信頼感という言葉にある「信頼」とは、
「相手を高く評価して全てを任せる」ということです。

「信頼する」という言葉のポイントは、
相手がいる、ということなんですね。

同様に、「好きになる」「応援する」「褒める」なども、
同じように誰かに向けられる気持ちです。

ということは、自己信頼感とは、
「一人の自分が、もう一人の自分を
高く評価して全てをまかせている状態」と言えます。

もう一人の自分に無限の可能性や
能力があると評価し、
信頼し → 任せ → 信じる わけです。

~~ 1974年にガルウェイが説いたこと ~~

「もう一人の自分」というのは多重人格という様な
意味ではなく、誰もが普通に持っているものです。

この少々ややこしい心理を見事に説いたのが、
1974年に発行され、ロングセラーとなっている
ティモシー・ガルウェイの「インナーゲーム」です。

インナーゲームについては、2023年1月13日の
メルマガ(No.47)で少し触れましたが、
もういちど簡単に整理すると、以下の様になります。

人は、自分自身の内側に
「セルフ1」と「セルフ2」という2つ意識が存在します。

邦訳ではこの意識に「自分自身」という言葉を
便宜上あてはめて、
セルフー1が、「自分」
セルフー2が、「自身」
と説明しています。 これは分かり易いと思います。

セルフー1は自分の心、自我の部分で、
負けることや失敗への恐れ、自分の能力への疑問、
見栄、計算、という
「邪魔する自分」「余計なことを考えている自分」
そして「指示する自分」です。

セルフー2は、精神の無意識部分や、神経システムを持ち、
本能やイメージも使いながら、「動く自分」です。

ガルウェイは、同著でこう述べています。
「試合中も練習中も、
ひっきりなしに自分に対して命令し、
励まし、叱咤するもう一人の自分がいることに、
あなたは気づいているだろうか。
小うるさい上司のような
「命令の専門家」は、
自分のスポーツを妨害する張本人でもあった。
これは驚くべき発見だ。」
・・・と。

セルフ―1が、セルフー2を信頼せずに、
あれこれ口を挟んでくると、
セルフー2は緊張し、良いパフォーマンスが
得られない。

逆に、セルフー2を信頼することで、
イメージをもったり、集中力が高まることで、
良いパフォーマンスが得られる。
つまり、本来自分が内側に持っている
能力を発揮できる、という考えです。

「強さの秘密は自分の内側にすでにある」
というのが、インナーゲームの考え方ですので、
「答えはクライアントの中にある」と考える
コーチングと共通することろがありますが、
共通どころか、インナーゲームがコーチングの歴史に
おいてターニングポイントであったということ、
そして、インナーゲームの方法論が、スポーツと
ビジネスの境界線を越えた最初のコーチングモデルの
ひとつであったとも言われています。

~~ 自己信頼感を育むコーチの役割 ~~

インナーゲームの話が長くなりましたが、
今日のテーマの「自己信頼感」とどう結びつくのか?

既にお気づきだと思いますが、
自分の中にある2つの意識をもって
自分が自分を信頼するというセルフイメージをつくる
ということです。

つまり、

こうあるべきだと指図をしたり、
これではダメだ、
もっと出来るだろう、
彼らの様にやってみろ、
こちらの方法がいい、等々と・・・
口やかましいセルフ―1にちょっと横にどいてもらい、
セルフー2を信頼して任せる、ということです。

セルフー2は出来るでしょ?
賢さと潜在能力の集大成であり、
学ぶ力をもっているのだから、と。

もの言わぬセルフー2の内側の
知性を能力を認めることで、不信感に満ちていた
自分自身への接し方が変わり始めるのです。

そして、クライアントさんにこの視点を持って
頂くことがコーチングの役割になります。

実は、コーチングのテーマによっては、クライアントさんに、
「セルフイメージアセスメント」
をして頂くことがあります。

質問は例えば、

  • 自分の長所・短所を5つ以上あげられる
  • 自分の無知を気にせず、知らないことを訊ける
  • 必要以上にへりくだったり、遠慮したりしない
  • どんな事もありがたいと思える

等々、20数問の問いと、低い方から高い方へ
1から5までの評点チェックで構成されており、これで
自己受容、自己信頼、自己尊重の
レベルを計ってみるのです。

これは、良い悪いという判断をするための
材料ではありません。

それと同様に、
「セルフパートナーシップアセスメント」という
診断があります。
これがセルフー1、セルフー2の内部対話を
イメージしたものなのです。
ですから質問は、例えば、

  • 私は、私が自分の欲求を満たす事を許している
  • 私は、私が自ら答えを見つけられるように常に問いかけている
  • 私は、私の小さな成果を賞賛している
  • 私は、私の気持ちが変化した時、それを感じとろうとしている
  • 私は、私が正直になろうとするとき、それを支援する

等々、「私は、私が○○~~」と、
全ての質問が、自分から自分への問いかけの形になっています。
このアセスメントも、自己受容、自己尊重をカバーするのですが、
私は、特に自己信頼感のレベルが現れるアセスメントだと思います。

セルフー2を信頼せずに、セルフー1が自身をコントロールし、
自分を低く評価したり、非難したりしている様な
アセスメント結果になることが少なくありません。

おそらく、「自分で自分に問いかける」ということを経験されて
いないことが大きな理由だと思います。

コーチングによって「新しい視点」を提供し、
セルフー2に対峙していくと、自己信頼感は、
実はそう低くないことに気づかれることが多いのです。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

《参考》
ガルウェイのインナーゲームに触れたブログ
コミュニケーション良化の公式「P=P-I」は、以下をご参照ください。

https://dreampl.com/HP/?p=312

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする