コーチング品質を高めるために(続き)

今週は記録的な大寒波の襲来で、ニュースは全国各地の
寒波の影響一色という感がありましたね。

高速道路での昼夜の立ち往生や、電車内に10時間も
閉じ込められたニュースなどを見るに、いかに用心していても
自然の力の前にはインフラは機能しないものだと痛感した
次第です。

一方冬は、トライアスロンを趣味とする自分にとっては、
シーズンオフということで、レース前の調整の心配なく、
身体をイジめる時期です。
自転車もインドアで練習できるので、週の間に3種目、
(スイム、バイク、ラン)の練習にそこそこの時間
(主に早朝ですが)を使っています。

歳なりに筋肉疲労も残りやすく、元来の身体の
硬さもあって故障し易く、ボディーケアは欠かせません。

ということで、整体に通う機会が少なくないのです。
そして、より自分の問題(故障、痛み)を
解決してくれる整体師を求めて、時間を惜しまずに
奔走することが多いのです。

整体師も、対人支援ということでは
パーソナルコーチと同類の専門職だと思います。

人体の筋肉、骨格、靭帯、その他関連部位と
それぞれの関係について熟知したプロフェッショナル
として、私は整体に時間とお金を使い、自分の身体を
預けるわけです。

実は、そこで自分で感じた「満足度」を振返ってみた
ことが、先週からのトピックにしている
「エバリュエーション」について書こうと思った理由です。

前置きが長くなりましたが、
今週もコーチングの質を高めるための
エバリュエーションについてお話をしてまいります。

~~ 整体でのCX(顧客体験) ~~

整体の例でお話を続けます。

2~3回の施術を頂いた後、
「この先生に引き続きお願いしよう」
と、思うか・・・・・
「悪いけど、今日を最後にしよう」
と、思うか・・・・・

どんな理由でこの判断が分かれると思いますか?

人それぞれ基準はあると思いますが、
私の場合は
「効果があったかどうか?」を訊いてくれる
かどうかです。
それも細かく、丁寧に、何度も。

初診の施術で絶大な効果が得られる、
なんてそもそも期待はしていません。
それを理解した上で、患者に勇気をもって
効果の有無を確認してくれる先生を
私は信頼します。

最初だけ症状を訊いて、
施術中の会話も殆ど無く、
決められた時間がくると、
「はい、今日はここまでです。お疲れ様でした~」
と、終わりにする施術師の先生も実際いるのです。

一方、施術中に
「ここの筋肉が柔軟性を欠いているので、
こっちの部分に余計な負担がかかってます。」

「安藤さんの骨格が凹脚気味なので、外側の
筋肉への負担がかかり易いです」
といった、理論的な説明をしてくれたり、

「ここ痛いですか?」
「こっちと比べてどっちが痛いですか?」
「こうするとどうですか?」
と、手技を施してくれる都度、その効果を
問うてくれる先生もいます。

どちらの整体師を選ぶか、
言うまでも無いと思います。

~~ メタコミュニケーションの効果 ~~

上述の私が理想とする整体師さんの様に、
様子を伺う会話を続けながら
コーチングセッションをすることはできませんが、
実はそれに近い手法があるのです。

これは、「メタコミュニケーション」と呼ばれるものです。

エバリュエーションではありませんが、
大切なコーチングテクニックのひとつですので
ご紹介いたします。

メタとは、「超~」「高次~」「~の間の」「~の後ろの」
「~を含む」などの意味を持つ英語の接頭辞で、
ある事象に対して高次の視点や立場を意味します。

ですからメタコミュニケーションとは、
今、進行しているコミュケーションについて
語る(=コミュケーションする)という意味になります。
クライアントさんとのコミュケーションを俯瞰してみるという
ことですね。

例えば、コーチングセッションでは次の様な形になります。

コーチからの質問にクライアントさんが考えて答えている
という状況の途中で、コーチがこう切り出すのです。

「さて、ここまで対話をしてみて、いかがですか?」
「こんな進め方で大丈夫ですか?」
「私の質問の内容は分かり易いですか?」
「不快な質問はありませんでしたか?」
「私の質問に対してどのくらい正直に答えられていますか?」
など・・・・

理想の整体師さんの会話ほど、頻繁に尋ねるわけでは
ありませんが、コーチはクライアントさんの状況を観察して、
適宜このメタコミュニケーションを発動します。

コーチングセッションでクライアントさんは、質問への回答に
に対してかなり思考エネルギーを使っているはずなので、
メタコミュニケーションを使うことで、ちょっと気持ちに
ゆとりが生まれ、発想が進んだり、考えがまとまると思います。

コーチ、クライアントさんの双方で、進行中の
コミュニケーションを俯瞰してみることの効果は、
そんなところにもあります。

~~ エバリュエーション・セッションの事例 ~~

先週は、私が普段行っている
セッション毎のエバリュエーション、つまり
セッションの終了時に今日のコーチング効果を尋ねる
という例をお話しましたので、今回は、
エバリュエーションの目的で行うセッションについて
事例をご紹介いたします。

エバリュエーション・セッションは一定期間の
コーチングセッションの後にエバリュエーションに
特化して行うものです。

何回かのセッションを重ねた後でエバリュエーションを
行う意味はいろいろとありますが、
ある程度まとまった期間を振り返ることで
1回毎のセッションでの振り返りでは気づいて
いなかった成長や変化が見えてくる、という
効果があります。

日々僅かずつ前進している自分の姿は
クライアントさんにとって自覚しにくいものなので、
たとえ、コーチ側の視点では半年で大きな成長が
見られても、クライアントさんとしては、
「成長していない、前進できていない」という
意外な振り返りをされるケースがあるからです。

それ以外に、まとまった期間を置いてエバリュエーションを
行う効果は次の様なものが挙げられます。

  • 目標達成度について明確にすることができる。
  • 成果を明確にすることができる。
  • 何が成果につながったのか、そのプロセスを明確にできる。
  • 上記を通して、目標達成や成果について再現性を高めることができる。
  • プロセスでの経験や成長を明確にすることができる。
  • 自分のさらなる能力開発の切り口を明らかにできる。
  • 新たな目標やテーマを明らかにすることができる。
  • コーチングがどの様に機能したのかを明らかにできる。

など・・・

上記の様な効果を考えれば、エバリュエーションの
セッションだけに時間をとることの意味がご理解頂けると
思います。

上述の効果を全て網羅できたわけではありませんが、
昨年末に、あるクライアントさんに行った約30分の
エバリュエーション・セッションで私がした質問をご紹介して、
エバリュエーションについてのお話を締めくくりたいと
思います。 それは以下の様な質問でした。

  • 最初のコーチング・セッションと、先週のセッション
    (6回にわたるセッションの最後)での自分を
    比較して、目標達成に対する考え、エネルギー、
    モチベーションに違いはありますか?
    (ご自身による Before/After の比較)
  • 目標達成に向う過程で、自信の成長を感じた
    ことはどんなことですか?
  • コーチングを受けた満足度は10点満点で
    何点ですか?(答えは8点でした)
  • 満点に足りない2点は何が原因でしょう?
  • 次の目標を考える上で、どんな質問があれば
    よかったですか?
  • 目標の取り扱い方は良かったですか?
    どの様に扱ったらよかったですか?
  • コーチングを通じて、普段はやっていないのに、
    やってみたことは何ですか?
  • 周囲にどんな影響を与えられたと思いますか?

・・・でした。

2週に渡り、「コーチングの品質を高める」を話題に
してまいりましたが、まとめますと、

  • 毎回のセッションでの会話が有益になるように、
    メタコミュニケーションを使い、
  • 都度のエバリュエーションで、コーチングの方向性の
    是正と最適化を目指し、
  • まとまった期間を振り返る、エバリュエーション・セッションで
    成長、学び、プロセスを確認する。

こんな形で、コーチはクライアントさんに向き合っていることを
ご紹介させて頂きました。

今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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