コミュニケーション良化の公式「P=P-I」
月曜日の祭日は成人の日でした。
思えば私の成人の日は、、、、
友人と酒を飲み泥酔のあげく、新調したスーツのまま
公園のベンチで寝入ってしまいました。
流石の寒さに夜中に目が覚めて家に帰ったのですが、
後に周囲から「凍死しなくてよかったよ」とか「アホか!」と
言われた記憶が今でも鮮明です (笑)。
今でこそ、いっぱしの大人面をしていますが、
こんな風に若い頃は様々な愚行や失敗をしながら
今に至っている人が少なくないはずです。
(他人へ迷惑をかけるのも限度はありますが)
将来への不安が諸々見え隠れする世の中ですが、
若い皆さんには、伸び伸びと自分の道を進んで
明るい未来を生きていって欲しいと願う日でもありました。
さて、本日のテーマは
再び、P=P-I です。
公式 P=P-I の話は、
2022年4月8日のブログで成長の加速、減速の要因として
取り上げましたが、その時は楽器演奏の事例に
加えて少々スポーツ系の話を添えただけでした。
今日は、コミュニケーションを良くするという
観点からこの公式についてお話をしていこうと
思います。
~~ コミュケーション良化のために、Iを取り除く ~~
P=P-Iとは?
最初のP:成果(Performance)
次のP:潜在能力(Potential)
I:妨害/障害(Interfere/Impediment)
を意味します。
(一社)日本スポーツコーチング協会では、
選手やチームのパフォーマンスを上げるために
運動能力や技術力(Potential)を上げること以上に、
弊害(I)を取り除くことの方が効果なことを、
この式を使って説明しています。
成果(P)を上げるために、潜在能力(P)を
急激に伸ばすことは難しい。例えば、野球の投手に
「一週間でストレートの急速を今から10km/h上げろ」
と期待するのは現実的ではありません。
潜在能力を伸ばすための活動はしながらも、
同時に弊害(I)を減じることで結果的に
(P)Performanceが向上する、
という考え方です。
スポーツ指導の領域で、(I)になるのが、
緊張やストレス、プレッシャー、孤独感、
不適切な練習メニューによる残疲労、怪我、
等ですが、選手と監督間のコミュニケーションの劣化も
対象です。
指導者が使う不適切な言葉、ハラスメント、
公平性を欠いた評価(不信感)、等ですね。
こうしたコミュニケーション面での(I)を取り除くことも
チームや個人のパフォーマンスを上げる結果に繋がることが
実証されています。
~~ ビジネスコミュニケーションでも同様 ~~
ビジネスの場においても、コミュニケーションにおける
(I)は沢山あると思います。
チームのコミュニケーションを良くするために、
One on Oneミーティングや、業績の可視化や、
飲み会などのチームイベントを考えることはよくありますが、
試しに、チームミーティングで、
「我々のコミュニケーション良化の
邪魔しているものは何だろうか?」と
問うてみてください。
結構色々出てくるはずです。
もし、オープンに出てこない様なら、そもそも
「本音が言えない雰囲気」とか
「他人の意見の尊重しないカルチャー」
を大きな(I)として認識し、
改善に取り組む必要がありますね。
(I)は例えば職場での会話。
- 相手に顔を向けない、相手の眼を見ない会話
(PCの画面を見ながら、スマホいじりながら等) - 険悪な表情。関心の無い表情
- 最後まで話を聞かない割り込み発言
- 腕組みやフンゾリ返りの姿勢
相手に安心、安全を感じさせない
非言語のコミュニケーションも含まれます。
これでは、心を開いた会話は望めません。
さらに、
- 狭い部屋でのOne on Oneミーティング
- 意味の無い「とりあえずCC」でくるメール
- いつも閉まっている役員室のドア
- 役職で呼ぶ習慣(〇〇主任とか)
等も(I)の類型として、
コミュニケーション良化のために取り除いた方がよい
という意見が上がる対象です。
~~ 朝30分間メールを使用不能にした理由 ~~
これは、国産の大手IT企業での事例ですが、
朝の始業から30分間、管理職のメールを
使用不能にする設定をしたそうです。
それまでは管理職が出社して先ず行うのは、
PCを立ち上げてメールのチェック、返信、転送と、
カタカタと忙しくキーボードを叩いて
「朝の仕事の始まりだ!」と。
出社してくる社員の「おはようございます」の
挨拶にも、PCの画面から眼も話さず
「おはよう」と声で応じる・・・
そして、メール作業が一段落すると、
部下を呼びつけてタスクの確認やら諸々。
ここで初めて今日の部下の顔を見るわけです。
会社がメールを使用不能にした理由は、
管理職への厳しい問いかけです。
「あなたが朝一番にやる仕事は、出社する
部下一人一人の顔を見て、声をかける
ことではないですか?」と。
スポーツの世界を想像してみると分かり易いです。
これから試合を始めようとする、グラウンドや球場、
コートに向かう選手に、何の声掛けもせず、
選手の様子も観察せずに、送り出す監督は
いないでしょう。
それと同じなんです。
- 「○○君、今日はA社訪問だったよな、準備はOKか?」
- 「〇〇さん、Bプロジェクトの遅延報告聞いたよ。
午前中に時間作るから対策について話そう」 - 「〇〇君、週末はゴルフだったよな。スコア訊いていい?」
- 「〇〇さん、お子さんの運動会どうだった?」
とかとか・・・・
考えれば、朝の声掛けの話題はいくらでも出てきます。
仕事でもプライベートでも。
仕事関係ではチームミーティングで詳細報告の場が
あるのでしょうが、
この簡単な朝の声掛けの要諦は、
「私はあなたのことを見てますよ。理解していますよ。
今日も一緒に頑張りましょう!」というメッセージの
発信に他なりません。
朝の時間はメールのチェックではなく、
そのために使え、ということです。
出社して最初に眼にする、
メールチェックで忙しそうに振舞う上司の姿・・・
正にこの(I)を取り除く試みです。
チーム内のコミュニケーションが良くなった、
という結果になったことは想像に難くありません。
チームコミュニケーションの(I)について、
考えてみてはいかがでしょう?
~~ P=P-Iについて少々紐解きます ~~
上述の考え方 P=P-Iについて、
少々説明をさせて頂きます。
パフォーマンスを上げるための考え方、
P=P-Iという式は、遡ること40年前、
ティモシー・ガルウェイの1982年の著
「インナー・ゴルフ」で述べられています。
(正確な表記は、P=p-i と小文字)
テニスのコーチだったガルウェイが、1974年の著書
「Inner Game of Tennis(邦題:インナー・ゲーム)」で、
相手(アウター)の他に、自分の内面(インナー)と
勝負することの重要性を説いて以来、
「インナー〇〇〇」は、芸術、経営、教育、などスポーツ
を越えた領域で広く知られるようになりました。
ガルウェイは、
自分自身の内側に
「セルフ1」と「セルフ2」が存在し、これらの
役割や特徴を様々なケースと共に説明することで、
「インナー○○〇」のセオリーを説いてきたのですが、
「インナー・ゴルフ」で、その基本的な考え方を
初めてP=p-i という式で表現しました。
コーチングセッションや、研修講師として登壇する際には、
「セルフ1」と「セルフ2」を引用してのパフォーマンス
向上の説明よりも、シンプルで分かり易いという
理由で、この公式を使ってお話を進めています。
ご興味のある方は是非、ガルウェイ著の
「インナー・ゲーム」
「インナー・ゴルフ(新版として出版)」
をお読み下さい。
(Amazonで検索すれば出てきます)
ご参考に:2022年4月8日ブログ
「成長を加速させるもの、減速させるもの」
https://dreampl.com/HP/?p=57
今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。