セルフイメージをつくるコーチングの効果
今週は、坂本龍一さんの訃報が何より悲しいニュースでした。
昭和世代ですから、YMOの活躍はリアルタイムで観ていますが、
それよりも、スタジオミュージシャンとして、山下達郎、大貫妙子など、
シュガーベイブ系の人達との活動を身近に感じファンになりました。
その後は日本を代表する音楽家として、また社会活動も注目されて
少し遠い存在となりましたが、いつも注目している「偉人」の一人でした。
闘病生活の中で収録された演奏に胸を打たれます。
心よりご冥福をお祈りいたします。
さて、今週から数回にわたり、コーチングのテーマのひとつ、
セルフイメージについてお話をしていこうと思います。
~~ 自分には力がある、というセルフイメージ ~~
コーチングで扱うテーマに、「セルフイメージ」があります。
自分をどの様に見ているのか?
ということですが、このセルフイメージの持ち方で
人生を生き抜いていくスピードや、方向性が
大きく変わると言われています。
自分に対して、
「自己受容」、「自己信頼」、「自己尊重」があるか?
と3つの視点から、コーチングで会話をしていくのですが、
セルフイメージとは?を分かり易くするために、
今日は「自己効力感」という別の言葉から入ろうと思います。
「自分は出来る」というイメージ。
端的に言えば「自信」ですから、
上述の3つのセルフイメージの「自己信頼」を
言い換えていると言えますが、
私はコーチングセッションの中で「自己効力感」
の方を好んで使います。
何故なら、この言葉の方が、
クライアントさん自身の体験を具体的に聞き出せて、
それがご自身の「リソース(資産、強み、武器、長所)」の
源泉であることに気づきやすいからです。
「自己コーリョクカン? それなんですか?」
と、クライアントさんも最初は意味がわからない様子ですが、
「何かが出来た経験、達成出来た経験や、
あなたが強み、長所、得意だと感じているものですよ。」
「人から褒められたり、評価されたりしていなくても
構いません。あなたが、『自分にはこの力がある』と
感じているものです。」
と説明します。
~~ 出来た!出来た!が、いつの間にか・・・ ~~
ところが、クライアントさんに問うと、これが即出てこないものです。
「自分の強み・・ねぇ、出来たこと・・ですかぁ~」
と沈思黙考。
殆どの人は、今に至るまでの過程で、様々なことが
出来るようになって、それがどんな些細なことでも
積み重なって成長してきているはずです。
極端な例ですが、
おぎゃ~とこの世に生を受けてから、
這い這いが出来る様になった、立てた、歩けた、
言葉を喋った、一人でトイレに行た、
走れた、読み書きができた、九九を覚えた、
跳び箱を飛べた・・・、と数え上げたらきりがないです。
そしてその度に「よくできたね。頑張ったね。」と
承認されて、褒められて、自信をつけてきたわけですよね。
採用面接で「あなたの強みは何ですか?」
と尋ねられて、「九九が言えます」とは応えられませんが、
ここで言いたいのは、自分の過去、現在をしっかりと
つぶさに見直して欲しいということです。
いつの間にか、
「それじゃ足りない」
「誰々さんより劣ってる」
「期待通りではない」
と、周囲から言われ、同時に自分でも勝手にその様に思い、
次第に「出来た!やったぁ~!」の効力感に蓋をしてしまっている。
こういう方が少なくありません。
それから他人のビリーフ(その人の世界観、価値観、かけている色眼鏡)
に影響されてしまうこともありますね。
例えば、
「私の長所は、『困っている人を見ると助けてあげたくなる』ところ。」
と言うと、友人のひとりから、
「それって一歩間違うとお節介や、単なるお人好しになっちゃうんじゃない?」
とか言われてしまう。 そこで、
「あ~、そうか。これは長所というより、欠点かもなぁ」なんて思ってしまう。
とか・・・・
この友達の考えが正しいとか間違っているとかは、全く関係無く、
あなたが、自分の長所だと信じていればいいのですよね。
何かうまくいったこと、試してみたこと、こういう視点で話を進めると、
クライアントさんから過去の体験や今取り組んでいる事の具体的な
お話が出てきます。
クライアントさんご本人は特にそれが自身の強みや長所、力が
反映されたものではない考えがちなのですが、コーチングの会話で
リフレーミング(物事を見る枠組みや視点を変えること)をして
もらうと、
- 何ごとにも優柔不断だった(ではなく実は)慎重に事を運んだ
- 飽きっぽかった(ではなく実は)旺盛な好奇心でやりたい事を見つけた
- 会話表現が下手(ではなく実は)書くことが得意になった
- あがり症(ではなく実は)相手に真剣さをいつも伝えてた
など、長所や強みに気づくことがあります。
もちろん、本当に弱点だったり、上手くいかなかったことを
歪曲して無理やり強みと解釈することは無益ですが、
自分には出来ない(出来ていなかった)と言う人の
一番の弱点は、
「自分には出来ない」という呪文を自分にかけて、
何もしないこと、それを安住の地としてしまうことです。
一度のコーチングセッションで、瞬くまに自己効力感が
みなぎる、ということはないのですが、自分の力、長所、強み
を考え始めるということは、物事や他人の言葉に新たな
視点を生み出します。
~~ 自己有用感 自分は役に立っている ~~
自分に力がある、出来ると思ったら、さらに
それが僅かでも世のため人のためになっている、
と気づくことで、自己効力感はさらに高まります。
自己有用感。つまり、
自分は役に立つ人間である
という意識です。
それは逆転ホームランを放ってチームを勝利に
導くような、派手なことでなくてよいのです。
他人から認められ褒められることがなくてもよいのです。
朝に強い、習慣化できる力がある、綺麗好き、
が長所の人が、毎朝10分職場の仲間の机を
拭いてあげている、とか。
企画力が強みの人が、チーム行事の幹事や
世話役をしている、とか。
セッションの中でクライアントさんが語る経験には、
本人が気づかない「利他的」な活動があります。
コーチの役割は、それをクライアントさんに気づいて
もらうことで、本人の自己効力感と自己有用感を
高めることです。
「やはりそれは、あなただから出来たんでしょうねぇ」
というコーチのセルフは決してお世辞ではありません。
ここは自分がいてよい場所だ、自分には力があり、
周囲の役にたっている、と、
クライアントさんが認識するとき、冒頭にお話した
自己受容、自己信頼、自己尊重の中に身をゆだね、
ものごとに対するモチベーションやエネルギーが高まります。
このように、セルフイメージを見直すことは様々な点で
とても重要です。
次回もこのテーマでお話をしていきましょう。
今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。