この人達も「観察」してみよう

沖縄諸島への台風の被害と九州への拡大。
東京にいると、とかく傍観者になってしまいがちですが、
関東に台風7号の接近予報に他人事ではありません。
帰省シーズンの足へ大きな影響がないとよいのですが・・・。

さて、先週は「観察」についてお話をいたしました。
部下、メンバーと良いコミュニケーションを持ち、
良い関係性を築くために、コーチングの技術としても
重要視されている「観察」ですが、他にも観察の
対象として大切な人達がいます。

今日は、その方々への「観察」についてお話を
進めてまいります。

先ずは「あなたが苦手としている人」です。

~~ あなたにも「苦手な人」はいますよね ~~

「苦手な人」というのは誰にも一人や二人はいると思います。
顔を見るのも嫌!という相手は、コミュケーションの外に
置いておけるなら、そうするに越したことはありません。

そこまで極端な相手ではなくても、困るのは、コミュケーションを
しなくてはいけない立場にあるのに、どうも苦手、という方々

例えば・・・

  • 何故かウマが合わない人
  • 天敵の様にいつも反対意見や批判をしてくる人
  • 一緒にいても気疲れするだけの人
  • こちらの話を聞いてくれない人
  • なにかと自分の優位性を顕示する(マウントしてくる)人

などです。

これが上司だったり、同じプロジェクトのメンバーだとしたら、
精神的に苦痛の日々が続くことでしょう。

しかし、コーチングでよく言う
「相手と過去は変えられない」
という原則の通り、この人達が明日から突然
あなたにとってのナイスバディーに変身してくれることは
望めません。
どの様に対応したら良いでしょう?

そうです、コーチングのセオリーに従って、
「自分の視点を変える」というのが対応策のひとつですね。
この視点を変える時に、「観察」が有効なのです。

~~ 苦手な人を「観察」してみる ~~

例えば、あなたが嫌いな上司がいたとしましょう。

ちょっと、観察してみましょうか。

それは、事実を見つける観察だけに限りません。
その上司の仕草、言葉使い、日々のルーチン、癖などを
観察することで、人物像を細かく想像してみることも
含まれます。

  • ゴミ捨てる時、結構キチンと分別してる。
  • 筆記具の置き場所が測った様にいつも同じ。
    → 几帳面なんだろうなぁ
  • 休み時間にキャンプの本読んでた。
    → 趣味なのかな? ご家族と行く計画かな?
  • 昼食はいつもお弁当
    → 奥さんが作ってくれるのかな? それとも自分で?

等々、

心理的に一歩近づいて観察してみると、見えてくる
プロフィールがあると思います。
そして、想像も働きます。

  • カラオケなんか行くことあるのかな?
  • ご家族とどんな会話しているのだろう?
  • どんな青春時代を過ごしたんだろう?
  • 何が趣味なんだろう?

さらに、自分との関係性にも視点が移ります。

  • この人に褒められたのはどんな時だっけ?
    (無いかもしれませんが・・・)
  • この人と世間話をしたのはどんな話題だったろう?
  • 機嫌が悪い時はどんな時だろう。(だったろう?)
  • 機嫌が良い時はどんな時だろう。(だったろう?)
  • この人の良いところは強いて上げれば何だろう?
    (無いと断定せずに、見つけてみてください)

あるいは、いつも自分にマウントしてくる、あまり一緒の時間を
過ごしたくない職場の同僚に対しても同様のアプローチです。

例えば、自分との関係性については、

  • この人と共通点があるとしたら何だろう?
  • この人の良いところはどこだろう?
  • この人と楽しく会話したのはいつだっただろう?
  • この人に「ありがとう」と言われたのはいつだったろう?
  • この人に「ありがとう」と言ったのはいつだったろう?
  • この人が大笑いしたのはどんな時だったろう?

などが観察と想像によって、同僚への新たな視点が生まれます。

そして、過去のコミュニケーションを思い出してみると、
一時的にせよ良い時もあった、最悪の経験ばかりでは無かった、
という記憶が掘り出されるかもしれません。

要するに、苦手な人に対して距離を置く代わりに、
「観察」をすることで一歩距離を縮めてコミュニケーションを
深めてみる、ということです。

誤解して欲しくないのは、
「苦手な人と仲良くなろう」という意図ではないことです。

結果的に、「同じ趣味があった」「同郷だった」「同窓だった」
などがきっかけで、急に仲良くなることもあるかもしれません。
また、相手の自分を見る視点にも変化が生まれるかも
しれませんので、時間をかけて良い関係性が築ける可能性も
あります。
もちろん、理想的にはそうありたいですね。

しかし、仲良しになることを目標にすると、ハードルが
一気に上がり、自分の心に逆らいながら、かえってぎこちない
態度になってしまうものです。

先ずは
「普段、仕事や活動を一緒にしなければならない人なのに~、
会話をすることが大切な人達なのに~、その人達に抱く苦手感情を
和らげること」を第一の目的としましょう。

~~ 観察が生み出す「客観性」 ~~

観察によって生まれる効果は、人を客観的に見る視点が
増えるということです。
「人は様々だなぁ」、「世の中には色々な人がいるものだなぁ」
という視点が生まれますし、その人と自分の関係性さえも
俯瞰することが出来ます。
まるで空の上から見下ろしている様に。

私のコーチングで、この「関係性を俯瞰する」、という提案を
差し上げたクライアントさんで、
「自分が映画監督になって、苦手な人と自分自身との間に立ち、
両者のセリフ回しにアドバイスを与えている」というイメージを描いた
方がいらっしゃいました。凄い想像力ですね。

苦手な人との会話を思い出して、嫌な気持ちになったり、
思い出し怒りをして相手に負の感情を持つ代わりに、
映画監督の立場で、相手にも自分にも、
「今のセリフ、ちょっときっついなぁ~」とか、
「もっと素敵な笑顔作れるの知ってるよ。あれでやってみて。」とか、
「その応答、もうちょっと暖かい感じ欲しいね。」とか、
アドバイスしている。 そんなイメージだそうです。 なるほど・・・・。

「苦手」が「普通」になるだけでも、コミュニケーション上のエラーの
発生は減るでしょうし、何よりもストレスが緩和されますよね。

「観察」の対象は、この様な相手にも有効であることが
ご理解頂けたと思います。

今日のお話はここまでです。
次回はもうひとつの「観察」の相手についてお話いたします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門