コーチの倫理規定とは?

この一週間、いかがお過ごしでしたでしょうか?

火曜日の師走並みの寒さには驚かされました。
目まぐるしい寒暖差を言い訳にして、
この時期まで手を付けなかった衣替えにようやく着手した週となりました。

さて、今日のお話は「コーチングの倫理規定」という少々固いお話です。

「コーチ」を名乗っているものがどの様な理解や考えを基本に
活動しているのか? 何を守っているのか?
今更ですが、その一端をご紹介したいと思います。
暫しお付き合い頂ければ幸いです。

~~ 「認定コーチ」と名乗る限り、大切なこと ~~

私がコーチングを学んできた場所、いわゆる養成機関は
主にコーチ・エイですが、その履修科目の中に
「コーチのコア・コンピテンシーと倫理規定」というものがあります。

これは国際コーチング連盟(ICF:International
Coaching Federation)が定めたもので、

コーチングを行う際に
知っておかなければならないこと、
すべきこと、
やってはいけないこと、

が詳細に記述されています。

コア・コンピテンシーについて、
具体的な内容は、別の機会にご紹介していくつもりですが、
例えば、象徴的なものを抜粋すると、

  • クライアント、スポンサー、関連する利害関係者への真摯さと誠実さ、
    及び、適切で敬意を示す言葉づかい。
  • クライアントの自己認識、環境、価値観、経験、信念への慎重な配慮。
  • コーチングと、コンサルティング、心理療法、その他の支援的職業とを
    区別し、必要があればクライアントに他の支援的職業の専門家を紹介する。
  • クライアント自身に選択の責任があることを認識している。
  • コーチとして継続的な学習と能力開発を行っている。
  • セッションに備え、精神的、及び感情的な準備をしている。

など、
「コーチとしての基盤を整える」ことや、
「コーチングマインドの体現」に始まり、さらに

「クライアントとの関係性を共に築く」(23項目)
「効果的なコミュニケーション」(17項目)
「学習と成長を育む」(8項目)
と、続きます。

コーチングを行うのは、プロ・コーチだけに限ったことではなく、
コーチング型マネジメントを行う職場のリーダー、
スポーツ指導者、なども含まれますが、
少なくとも、この養成機関で認定を受けたコーチは、
この様な、コア・コンピテンシー、すなわち
「コーチとしての中核となる能力」を備え、発揮することが
求められます。

~~ コーチング技術と同様に重要なこと ~~

そして、倫理規定です。
コーチにとって、コーチング技術を修得し、実践し、
磨きをかけ続けることは重要ですが、
倫理規定は、それと同じくらい重要な事柄になります。

これもコア・コンピテンシーと同様に、プロ・コーチであるか、
組織内のコーチング型マネージャーであるかに関わらず、
認定コーチである以上、遵守が求められています。

倫理規定の中に定められている、
倫理基準(Ethical Standards)には、
プロフェッショナルの専門的活動に適用されるもので、
ここでも詳細は割愛しますが、

クライアントへの責任
実践と遂行に対する責任
プロフェッショナルとしての責任
社会的責任
が、28項目にわたって記されており、
ICFプロフェッショナルは、それに対し倫理誓約が求められます。

大袈裟と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
対人支援を専門職(あるいは役割)として担う以上、
医師、弁護士、会計士、などと同様に倫理規定を設けるのは
当然のことですね。

~~ 守秘義務の遵守 ~~

倫理規定の中でも、わかり易い例が「守秘義務」です。

例えば、以下の様なケーススタディが提示されます。

社内のある部署のマネージャーAさんをコーチングしています。
セッションの中で話された内容については、Aさんの許可なく
外部に伝えることがないことを、事前に約束しています。

数回のセッションを終えたところで、
Aさんの上司からコーチング・セッション内容の報告を
求められました。
あなたは、どう対応しますか?

正解は当然「No」です。

Aさんはコーチを信頼して、会社に伝わるとマイナスになるような
内容も包み隠さず話してくれていますし、外部に話が伝わらない
ことは「事前の約束」だからです。

もし、Aさんの上司がコーチングを行うための「スポンサー」という
立場で、セッション内容について知りたいという希望があるなら、
Aさんには事前に「スポンサーからのセッションの内容に
ついて問合せがある可能性がある」 ということを知らせておく
必要があります。
また、どの様な内容を聞かれたのか、
Aさんに開示することも大切です。

この様に、クライアントとの信頼関係をつくり、
心理的安全性を担保し、効果的なセッションを実施するには、
倫理規定を遵守することは不可欠です。

今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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