「気づき」は「反省」ではありません
仲本工事さんの訃報に大きな驚きと悲しみです。
生前のエピソードを伝えるNHKのニュースで、
4年前のインタビュー
「人生というのは、やりたいことができなくなった時が出発点だ」
という言葉が紹介されていました。
初めて聞いた仲本さんの信条です。
「音楽がやりたくてドリフターズに入ったが、
コント中心になった・・・
しかし、そのコントの中で自分の役割を見つけて、
仲本さん自身の存在を発揮した・・・」 と。
ご存知の方も多いと思いますが、ドリフターズは
1966年のビートルズ日本公演の前座(コメディ色もあるのですが)
を務めるくらい音楽的にまともなバンドでした。
そこに本来の仲本工事さんが求める世界があったのでしょう。
プロのミュージシャンからも、ギタリストとしての仲本さんへの
評価や、音楽への取組み姿勢を讃えるコメントを
目にすることは少なくありませんでした。
そうした背景を思うと、
「人生、新たな出発点はいつ、どこにでもある」
ということを、仲本さんの言葉は教えてくれているようです。
心からご冥福をお祈りいたします。
さて今日は、コーチングで大切な「気づき」について
お話をしてまいります。
~~ コーチング・セッションが辛くなるケース ~~
コーチはコーチング技術(傾聴、承認、質問)を発揮しながら、
同時にクライアントの中に起こっている気持ちを観察する必要があります。
ひとつの例として、クライアントにとって
コーチングが辛くなっている、あるいは
精神的に負担を感じている
というケースが起こり得ます。
どういうことか?というと・・・
クライアントの自己効力感や自己肯定感が低いと、
セッションで生まれた「気づき」に対し、
クライアント自身が全く無用な「反省」をしてしまうのです。
「確かに・・・。今、質問に答えてみて気づいた・・・」
ここまではOK!
問題はその後です。
「何故、そんなことに気づかなかったのだろう?」
「何故、そんなことも出来ていなかったのだろう?」
と・・・・
謙虚な姿勢、とも言えるかもしれませんが、
この発想からは何も得られません。
~~ コーチングは反省会ではありません ~~
確かに、「反省」は大切です。
自らの判断や行動を振り返り将来に活かす、
学びと成長の機会となります。
しかし、これが自己卑下、自己否定を生むようであれば
無益なものとなります。
出来ていなかった自分、ダメだった自分に「気づく」ことに
焦点を当てても何も生まれません。
コーチは、このような感情がクライアントに生まれていないか?
プロとしての注意の払いどころになります。
そして、「反省」の話を持ち出すなら、同時に、
「次はどうしたら良い結果になると思いますか?」
という質問で、前進するモチベーションやエネルギーを
生み出すセッションに仕立てていく必要があります。
それがコーチングにおける「気づき」に繋がります。
「反省」という言葉は、ネガティブな響きが強いので、
私はコーチングでは一切使いません。
おそらくこの言葉をセッションで持ち出している他のプロコーチは
少ないと思います。
セッションで過去を振返る時にも、「反省」のトーンを抑えて、
例えば質問は、
- 過去うまくいったのは、どんな時だったか?
- 判断の岐路に立った時、どの様な考えでその選択をしたか?
- その時、誰が助けてくれましたか?
- その時、自分の強みの何が発揮されましたか?
- 今の自分から、過去の自分に声をかけるとしたら何と言いますか?
などなど・・・、
気づかなかった、自分の能力やリソース(人脈、資質など)、
自分の価値観を思い出させるために過去への振り返りを促します。
反省 ⇒ 失敗やネガティブなイベントを局所的に振返り、
将来への学びに繋げる。 リカバリーの端緒。
気づき ⇒ そもそも自分は何をしたいのか?
どうありたいのか?を目指し、何かをプラスしていく。
両者とも大切なことですが、
コーチングでは、「気づき」に重点を置いて
クライアントの支援を進めてまいります。
今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。