災害級の猛暑や台風被害、そして夏休みに入っての
水難事故など、心痛むニュースが連日報道される週でした。
みなさまも、くれぐれもお気をつけください。

私も明後日は、沼津でトライアスロンです。
この大会は、トライアスロン競技の中でも一番距離が
短い「スプリント」といわれる種目で、水泳750m、
バイク20km、ラン5kmと、丁度オリンピックディスタンスの
半分になります。

とはいえ、油断禁物です!
熱中症、脱水症状、深部体温の上昇など、危険な
事故につながる体調不良は寝不足やアルコール摂取なども
影響しますからね。

普段と変わらぬ慎重な準備をして、沼津の綺麗な海を
泳いでこようと思います。

さて、今週もコーチングの基本技術をひとつご紹介いたします。
それは「観察」です。

~~ コーチングにおける「観察」とは ~~

「観察」と聞いて、季節柄、夏休みの宿題になった
植物や昆虫の「観察日記」を思い浮かべた方も
いらっしゃる思います。

日記という時系列を追って記録する言葉に象徴されるように、
観察のコンセプトは「変化を観る」ということです。

(ある対象を「みる」行為は、状況に応じて、見る、診る、視る、などの
漢字が当てられますが、ここでは観察なので観るとしましょう。)

接客業で一流と言われる方々は、顧客を観察する眼が
実に長けています。

例えば、私はジムでパーソナルトレーナーのお世話になって
いるのですが、トレーニング開始前の会話は
「調子どうですか?」の様な挨拶レベルですが、
いざトレーニングが始まると、「今日はチョット疲れてませんか?」
とか、「軽い動きに見えますね。」とか、私の身体の動き、
可動範囲、表情などを観て声がけやフィードバックをしてくれます。

また、営業職はセールストークをしている間の見込み客が
どんな言葉に反応したか?あるいは関心がなさそうか?
表情や会話のトーンから読み取っています。

この様なプロフェッショナルが行っている観察は、
その時の「状態を観ている」ことはもちろんですが、
「変化を観ている」こと、また必要に応じて
その変化を相手に伝えることで、顧客との良い関係性作りに
活用されていますよね。

コーチングもれっきとしたサービス業ですから、同様に
クライアントを観察することは必須技術です。

コーチングセッションは音声のみで行うことが普通だったのですが、
コロナ禍以降、リモートミーティングが普及してきたことで、
クライアントのお顔を観ながら会話することも多くなってきました。

コーチングが音声のみで行われるていることを意外に思う方も
いらっしゃると思います。
しかし、音声のみの会話は、心理的安全性を感じられたり、
本音が言えたり、想像力が広がったり、等々、
長所が沢山あるんです。

音声のみのセッションで「観」察というのも違和感がある言葉かも
しれませんが、
コーチは、クライアントの声の大きさ、張り、トーンをよく聴いて、
その変化を観察しています。

そして、「先ほどの話から、声が明るくなった気がするのですが、
何か気持ちの変化が生まれていますか?」
「セッションの開始時に比べると、声が元気になってきましたね。」
という様な質問やフィードバックします。

リモート会議で表情が見える様になってから、クライアントの表情や、
視線が観えるようになってから、より気持ちの状態や動きにを
察する機会が増えたことは言うまでもありません。

特に、視線で人の心理状態を把握できることは心理学上でもわかって
いることで、例えば 視線が自分自身からみて
左上に向いている時は、記憶を探っている。
右上に向いている時は、イメージを創造している。
右下に向いている時は、身体的感覚をイメージしている。
などと言われています。

右脳と左脳のバランスの違いは個人差があるので、絶対とは言えませんが
その昔、FBIが容疑者の尋問の際にこの観察をして、
右上に視線を向けてから答える容疑者のウソ(話を捏造している)
を多く暴いたという事実もあるそうです。

コーチは上述の説を鵜呑みにしてセッションを進めるようなことは
しませんが、クライアントの視線、表情、声、などの
非言語コミュニケーションを観察しながら会話を進めています。

~~ マネジメントの基本としての「観察」 ~~

コーチングが職場やチームで普及してきているのは、
大変喜ばしいことです。

コーチング型マネジメントというコンセプトの下で、
指示・命令・統制というマネジメントスタイルから脱して、
より部下やメンバーの主体性や成長を引き出すマネジメントが
実践されてきています。

コーチング技術の柱とも言える、承認、傾聴、質問、フィードバック
などは活用されていると思いますが、これらの技術を実践していく際に、
是非「観察」も忘れないで頂きたいと思います。

以前のメルマガで、タイプ別のコミュニケーションの重要性について
ご紹介しました様に、私達は普段、会話をしている相手、
部下、メンバーの個々のタイプを意識的・無意識的に把握し、
「キャラクター」や「らしさ」について理解してコミュニケーションを
していると思います。

しかし、人の気持ちは日々、刻々と変化しています。
それが人のマネジメントを行う時に観察すべき対象ですね。

今、相手がどの様な状況や心持ちでいるか、を「観察」して
コミュニケーションに反映させることで、より良い関係性を
早期に築けるはずです。

1on1ミーティングの場面などが典型でしょう。
いつも元気な「お祭り男キャラ」の部下に対して
何の観察もなく「今日も絶好調かい~?」と、毎回紋切り型の
アイスブレイクを投げるのではなく。

観察した上で普段と異なる変化を感じれば、
「今日は少々お疲れに見えるけど、私の気のせいかな?」
という声掛けも生まれてきます。

こうした観察を続けて、コミュニケーションに反映させていくと、
部下や第三者から「あの人は人をよく見ている」とか、
「相手の状況をよく見て発言している」という評価を得ることに
なります。

これはマネジメントとして嬉しい、誇らしい評価ですね。

最初のうちは観察によって変化を掴むのは難しいかもしれませんが、
地道に続けてみてください。
必ず良いコミュニケーション作りに繋がるはずです。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

【ご参考】
2022年3月18日 ブログ
「コミュニケーションの質を向上させる「スタイル」の理解」

https://dreampl.com/HP/?p=42

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門