コーチングと1on1ミーティングの違い

8日の日曜日は、九十九里トライアスロンに参加しました。
今シーズンの締めくくりは敢えてミドルディスタンスへの挑戦で、
これは普段参加しているオリンピックディスタンスの2倍
(スイム2km、バイク90km、ラン21km)です。

7時間半かけてなんとか完走しましたが、こういう苦行レースは
一年に一度で充分とつくづく実感しました。
来シーズンはオリンピックディスタンスのみにしようと思いますが、
ミドル挑戦への誘惑が生まれるか否かはトレーンングの経過
次第ですね。

さて今日は、先々週からお話してきた「話させる」こと、「傾聴」の
テーマについて、メルマガ読者の方から頂いたご質問にお答えして
いこうと思います。

というもので、とても良い質問ですね。

~~ コーチングと1on1ミーティング ~~

どちらの言葉も昨今職場でよく耳にする、
言い換えれば奨励されているものですね。

理由として、
価値観が多様化した組織のマネジメント、
指示命令型ではないマネジメント、
心理的安全性のあるチーム運営、
リーダーシップの育成
などが求められていることが背景にあります。

少々乱暴な答えになりますが、
どちらも個人や組織のパフォーマンスを上げることを
目的とした手段ですから、
コーチングでも、1on1ミーティングでも、
上述の様な要求に適うものであり、それぞれの組織内で
実行可能であるなら、どちらも有効です。

しかし、
「この2つに大きな違いはありませんよ」
「ほとんど同じですよ」
とは言えません。

1on1ミーティングは実施しているのだけど、
コーチングと何が違うのだろう? という疑問、
コーチングと1on1ミーティングが混同されやすいのは、
1on1ミーティングの中で、承認、傾聴、質問などの
コーチング技術が使われるからです。
(先週のメルマガでも「傾聴」を1on1ミーティングの中で
使っていきましょう、というお話をしたように)

正確に言えば、
「コーチング技術」と「コーチング」は異なるものなので、
分けて考える必要があります。

~~ コーチングに不可欠なものは? ~~

コーチングも1on1ミーティングも
組織やチームにおいて相手と良い関係性を築き、
相手に主体的行動を促したり、モチベーションを上げたり
する効果を期待するということでは、目的は同じですが、
コーチングには以下の様な特徴があります。

1.コーチと相手は完全に対等であること。
コーチをコーチングを受ける人の間に上下関係や優劣は
全く存在しません。対応にコミュニケーションをとることが
大前提
となります。

2.指示、アドバイスをしない。
相手が主体的に考えることを促すコミュニケーションが
優先されます。

3.継続的対話であること。
コーチングはCoachingと、~ing(進行形)で
表記される様に、ある期間適切な頻度で定期的に
行われるものです。平均的には2週間、長くても
3週間程度ごとに行われるものであり、月1回とか、
四半期に1度ということではありません。
何故なら、目標に向かって進む相手に伴走して支援し、
進捗を助けることが目的だからです。
ですから、本当に大事なのはコーチとのセッションと
セッションの間の日々をどう過ごしたか?振り返り、自分に
向き合うということが求められます。


マラソンに例えると、コーチングセッションは給水所であって、
ランナーは常に走り続けているわけです。

4.目標達成志向であること。
上記の「進行形」であることの所以ですが、理想に向かって
進むモチベーションとエネルギーを高め、正しい方向への
伴走を担うのがコーチです。
必ずしも目標が無いとコーチングが成り立たないわけでは
ありません。実際私は最初に目標が無くてもコーチングを
しています。しかし、コーチングの基本形はここにあります。

他には、
対話によって「新たな視点を生み出す」「変化を創り出す」
こともコーチングの特徴ですが、これは1on1ミーティング
でも、良い質問を投げかけることで、生み出されるとものです。

~~ 職場でのコーチングを行うことの難しさ ~~

こう考えると、職場においてコーチング型マネジメントや、
コーチング技術を活用した1on1ミーティングの実施は
できますが、純粋なコーチングを取り入れるには、いくつかの
ハードルを越える必要があります。

一番のチャレンジが、上述の1番、完全に対等な関係構築です。

「コーチングの間は、完全に対等だからね。」と、再三にわたって
上司が説明したとしても、そもそも階層の上に成り立っているのが
職場というものです。
部下の心理としても、急に対等な関係に気持ちを切り替えるのは
難しいです。慣れるまで時間を要する覚悟が必要です。

どうしたら対等の関係が築けるか?については機会を改めて
お話したいと思います。

そして、2番。
ある調査では、職場でコーチング効果が出ないマネージャーの
特徴が「ついつい、指示やアドバイスをしてしまう」であることが
報告されています。

無理もないです。指示やアドバイスを与えるのが
マネージャーの仕事なのですから。

・・・ですので、コーチングのセオリーにこだわることなく、
(繰り返しますが、プロコーチの私も実は臨機応変です)
組織、個人のパフォーマンスを上げる目的で部下との対話を
進めればよいと考えます。

1on1ミーティングで、多少の上下関係意識が持ち込まれたり、
適切なタイミングで指示やアドバイスが行われたとしても、
お互いが目的に適う対話の時間を過ごし満足であれば、
それに越したことはありません。

それを、社内的に「コーチングセッション」と呼び、対外的にも
「弊社ではコーチングを採用し」と伝えても、誰が文句を
言うわけではありません。

部下の主体性を育てる目的に沿った最適な対話方法を
選択し実施すればよいと思います。

ご質問頂いた、

  • コーチングと1on1ミーティングの違いは何ですか?
  • どの様な状況で、どちらが有効なのですか?

へのお答えになっていることを願っています。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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