セルフイメージを高めるために、コーチがお手伝いできること

さて、前回はセルフイメージを持つことの大切さについてお話をしましたが、コーチという職業はそれにどの様に関わっていくのか? セルフイメージを高めるためにどの様なお手伝いをしているのか? 今回はそんなお話したいと思います。

~~ 自分との関係性を育てるために、プロコーチはそばにいます ~~

「ありのままの姿・・・、ありのままの自分・・・」は、大ヒットしたディズニー映画から世の中に広まった言葉ですが、「その『ありのままの』、ってのがわからない・・」という本音も聞こえてきます。

「自分らしく生きる」のが窮屈な時代なのでしょうね。

「自分らしさって何?」「本当はやってみたいことがあるけれど…」「もっと自信を持っていたいのに、つい他者と比べて落ち込んでしまう」。
そんな状況の中で、セルフイメージ=自分が自分をどう見ているかについてを考えることはとても大切です。

自分に対する見方が変わると、発する言葉も、選ぶ行動も、出会う人すらも変わり始めます。

だからこそ、セルフイメージを丁寧に育てることは、人生を整えることにつながるのですね。
こうした、セルフイメージを持つことの大切さについては前回お話をしましたが、そのプロセスに寄り添い内面からの変化を支えるのが、パーソナルコーチの役割のひとつなんです。

~~ コーチングは「気づきと自己信頼のための空間」 ~~

コーチングとは、目標達成や行動促進の支援にとどまらず、「自分との関係を見つめ直す時間」でもあります。

プロのコーチは、主に以下のような技術や姿勢を通して、クライアントのセルフイメージの変容をサポートしています:

  • 傾聴:評価せずに、深く聴く
  • 承認:その人の存在や努力を認める
  • 質問:内なる思考を引き出す問いかけ
  • フィードバック:本人が気づいていない強みや視点を伝える
  • 提案:必要に応じて行動のヒントを提供する

では実際に、コーチングの現場では、どのような対話がなされ、どんな変化を生み出しているのでしょうか?以下に例をあげます。

【コーチングセッション 対話の一例】

クライアント(30代女性・会社員)
「プレゼンを頼まれたんですが、私なんかが人前で話していいのかって、怖くて…」

コーチ
「『私なんかが…』とおっしゃいましたね。その言葉の奥に、どんな気持ちが隠れていそうですか?」

クライアント
「うーん…昔から、自信のある人とつい比べてしまうんです。失敗するくらいなら黙ってた方がマシだって、思ってしまって…」

コーチ
「それだけ自分を守ろうとしてきたんですね。その一方で、今回のプレゼン機会を『断らなかった』ご自身の行動には、どんな意味があると思いますか?」

クライアント
「……たしかに、怖くても逃げなかったのは、ちょっと成長したのかも」

コーチ
「そうですね。『怖いけど引き受けた自分』に、少し拍手してあげたくなりませんか?」

クライアント
「……そうですね。今、ちょっと誇らしいですね(少し笑)」

以上は一例ですが、このような形でコーチはクライアントの思考や感情に寄り添いながら、「自分でも気づいていなかった自己理解」を深めるお手伝いをしています。

次に、実際のコーチングで見られたセルフイメージの変化の一例をご紹介したいと思います。

~~ 変化のストーリー Before / After ~~

●Before:自己批判のループに悩む管理職(40代・男性)

  • 若い部下への指導が思った様にいかず、自信を失い気味。
    「自分の管理職としての能力は、今の若い世代に通用しないのでは?」と感じる。
  • 今までしてこなかった様な些細なミスをし、集中力までが低下している、と自己批判。
  • これからのキャリアが気になり、上司や部下の目ばかりを気にして、言いたいことが言えない。

コーチングのプロセス(3か月)

  • 「自己批判が強いのは、完璧でありたいという価値観の裏返し」という気づきを得る。
  • コーチとの対話を通じて「失敗しても信頼されている」という実感を持ち始める。
    (現にこの方は、自分が思っているほど低い評価を受けていない)
  • 部下との接し方と少し変えてみた結果、部下からの「話しやすくなった」という反応を得て、
    自己信頼が高まり、本来の自然体でのリーダーシップが取れるようになる。

●After:ありのままの自分を受け入れた上での変化

  • 「自分は『完璧でない自分』を受け入れられるようになった」と実感。
  • 無用な心配をするより先ずは対話。上司や部下と率直な対話ができるようになり、チームの雰囲気も改善されてきた。
  • 自ら発信する言葉に自信と説得力が増し、リーダーとしての信頼も高まった。

「視点が変化した」それによって「言動が変化した」ということが、このコーチングがもたらした成果だと思います。

~~ コーチングとカウンセリング/セラピーの違いとは? ~~

さて、ここで少し気になるのが、「コーチング」と他の対人支援方法である「カウンセリング」や「セラピー」との違いは何か?ということかもしれません。

セルフイメージをテーマにするなら、カウンセラーや心理セラピストの方々もプロフェッショナルです。
それぞれに目的やアプローチが異なり、クライアントの状態や課題によって選ぶべき支援が変わります。

以下は、両者の違いを尊重を込めて簡潔に整理してみました。

どちらが優れているという話ではなく、今の自分に必要なサポートの種類を見極めることが大切ですね。

「支援」の選択肢があるということの希望

  • 自分の中にある力を引き出し、未来に向けて動き出したいとき
    ⇒ コーチングは力強い伴走者になってくれます。
  • 心の深い部分にある痛みや葛藤と向き合い、癒しながら前に進みたいとき
    ⇒ カウンセリングやセラピーが安全な場を提供してくれます。

実際には、これらの境界は重なり合う部分もあり、クライアントの状態によって行き来することもあります。
大切なのは、「ひとりで抱え込まなくていい」ということ。
あなたの味方になってくれる専門家は数多くいるということです。

~~ 自分とのパートナーシップを築く旅へ ~~

コーチングでは、「提案」や「フィードバック」を行いますが、答えを教える場ではありません。

むしろ、自分の中の“本当の声”に出会う時間です。

  • 自分の中の可能性に光を当てたい
  • 自分をもっと信じて、未来に向けて踏み出したい
  • 他人の期待ではなく、自分の選択で人生を生きたい

そう感じているなら、コーチングがその旅の入り口になるかもしれません。

今のあなたに必要な支援の形を、自分らしく選ぶことが大切です。
そして、どんな形であれ「自分を大切にしたい」というその気持ちこそが、セルフイメージを育む第一歩になるのと思うのです。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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