セルフイメージが未来をつくる:自分とのパートナーシップのすすめ

今日は「セルフイメージ」についてのお話です。

あなたは、自分のことをどんな人間だと思っていますか?

「自信がない」「つい他人と比べてしまう」「自分のここが嫌い」・・・等々、こんな言葉が頭をよぎる方も多いかもしれませんね。

この「自分をどう見るか?」というイメージこそが、実は私たちの行動や成果、さらには人生全体に大きな影響を与えていることをご存じでしょうか?

今回は、「セルフイメージ(自己像)」の大切さ、そしてそれを育むためのヒントとして、ティモシー・ガルウェイが提唱した「Self 1とSelf 2」という考え方をご紹介しながら、自己受容・自己信頼・自己尊重を高める方法を探っていきます。

~~ セルフイメージとは何か? ~~

セルフイメージとは、「自分が自分をどう見ているか?」という認識です。

たとえば、「私は人前で話すのが苦手だ」と思っている人は、実際にプレゼンの場で緊張し、本来の力を発揮できないことがよくあります。これはスキルの問題というよりも、「自分はそれが上手くできない人間だ」という思い込み – つまり、セルフイメージの影響です。

人は、自分のイメージに沿った行動を無意識に選びます。だからこそ、「自分をどう捉えているか?」が、大袈裟ではなく、人生や生き方の「質」に大きな影響を与えます。

セルフイメージを育む3つの柱は、自己受容・自己信頼・自己尊重です。

良いセルフイメージを育てるために必要なのが、

  • 自己受容:できない自分も、ネガティブな感情も、まずはそのまま受け入れる
  • 自己信頼:うまくいかない時でも「きっと乗り越えられる」と自分を信じる
  • 自己尊重:「自分には価値がある」と認め、尊重する姿勢

の3つです。

しかし、「自分を信じるって難しい」と感じる方もいるかもしれませんね。その時に役立つのが次に紹介する「セルフパートナーシップ」という考え方です。

~~ 「The Inner Game」が教えてくれる「もう一人の自分」との対話

ティモシー・ガルウェイの名著The Inner Game(インナーゲーム)」は、1970年代にアメリカで出版されたスポーツ心理学の金字塔です。邦訳も「新インナーゲーム(訳・構成 後藤新弥)」として日刊編集センターから出版されています。

彼はテニスコーチとしての経験から、人が本来の能力を発揮できないのは、技術の不足よりも「内なる自己との対話の質」に原因があることに気づきました。

彼は人間の中に、

  • Self 1(セルフ1)=評価し、指示を出す「批判的な自分」「指示する自分」
  • Self 2(セルフ2)=本来の能力をもった「自然体の自分」「実行する自分」

という2つの“自己”が存在すると説きます。

Self 1:頭の中の批判者

「なんでまたミスしたんだ」「もっとちゃんとやらないと」
こんな内なる声を聞いたことはありませんか?
これがSelf 1です。完璧主義で、失敗を許さず、常に「もっと、もっと」と自分を責め立てます。

Self 1の特徴は、
・常に判断、批評、命令する内なる声
・過度に分析的で批判的
・「〜すべき」「〜しなければならない」という表現をよく使う
・失敗を恐れ、完璧主義的な傾向がある

と、まとめられます。

Self 2:本来の可能性を持つ自分

一方のSelf 2は、言葉を超えた感覚や直観を通じて、無理のない自然なパフォーマンスを可能にします。Self 2は、たとえ失敗しても責めず、「大丈夫!やってみよう」と静かに励まし続けてくれる存在です。

Self 2の特徴は、
・実際に行動する自己であり、本来の能力や潜在力を持つ部分
・自然な学習能力と直感を持つ
・余計な干渉がなければ最適なパフォーマンスを発揮できる
・体験から自然に学ぶ能力がある

と、まとめることができます。

~~ セルフパートナーシップとは何か? ~~

実は、私たちはこのSelf 1とSelf 2の間で、日々“対話”をしています。

セルフパートナーシップとは、この2人の自分を敵対させるのではなく、パートナーとして良好な関係を築くことです。

  • Self 1に気づき、否定するのではなく、その存在を受け入れる
  • Self 2を信頼し、任せることを覚える
  • 内なる会話のトーンを、批判から共感へ変える

この意識を持つことで、自分の内側に安全なスペースが生まれます。それが、自己受容・自己信頼・自己尊重の土壌となり、健全なセルフイメージを育てていくのです。

では、実際にどの様な行動、考えをすればよいでしょう?

今日からでもできる3つのセルフトレーニングをご紹介します。

1. 自分の内なる声に耳を澄ませる

一日の終わりに「今日、自分はどんなセルフトークをしていたか」を振り返ってみましょう。
特に、ミスをしたとき、落ち込んだときに、どの様な言葉を自分にかけていたか?がヒントになります。

2. 完璧主義者のSelf 1に感謝の言葉を

「失敗しないようにって、守ろうとしてくれてるんだね。ありがとうね。」と心の中で伝えてみてください。自分を批判するSelf1への声がけです。批判的な自分に対する考えや態度が変わるだけで少し心が穏やかになると思います。

3. Self 2に委ねる勇気

「やってみよう、きっと大丈夫」と、Self2に声をかけて、自分のやりたいことを抑えることなく、周囲の状況や流れに任せるような行動を、何か一つ取り入れてみるとよいと思います。

スポーツやプレゼンなど、緊張する場面で効果を感じられるはずです。

~~ セルフイメージが変われば、人生が変わる ~~

良いセルフイメージは、努力して無理やりつくるものではありません。
それは「自分との関係性」つまりセルフパートナーシップに目を向けて少しずつ良い関係性を構築する心がけの中で自然と育まれていくものです。

テニスコーチであるティモシー・ガルウェイは、こう述べています:

“The opponent within one’s own head is more formidable than the one on the other side of the net.” - Timothy Gallwey

(「(自分の)頭の中の相手のほうが、ネットの向こうの相手より手強いのだ」)

この言葉は、スポーツだけでなく、ビジネスや普段の人間関係、そして人生全般に通じると思います。

それ故に、自分の内なる声を整えること、自分との良い関係を築くことが、人生の質を変えるカギになると考えます。

「自分を信じる」というよく耳にする言葉は時に空虚に響くことがあります。しかし、「自分との関係を見直してみよう」と言われたら、少しやさしく受け入れられる気がしますね。

もう一人の自分と、今日からパートナーシップを築いてみてください。あなたの中には、信じるに値する、かけがえのない存在が既にいるのですから。

今日のお話はここまです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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