先週末は富山県高岡市にお伺いし、高岡市体育協会様が
主催するイベントで、1時間の講演をさせて頂きました。

同協会に講師としてお招き頂くのは今年の3月以来で
その時は、ジュニアスポーツ指導者の方々を対象とした研修会
でしたが、今回も多くの協会役員、理事の方々に
ご参加頂き、熱心に聴講頂きました。
温かなおもてなしも頂き、感謝の気持ちで一杯です。

協会や種目別の連盟で重職に就いていらっしゃる方が
ほとんどですので、講演はスポーツ指導の視点だけでなく、
ビジネスのマネジメント面でもお役に立てる内容を、と
思案した結果、「対話」をテーマにいたしました。

良い対話は、良いコミュニケーション基盤があってこそなので、
コミュニケーション技術として、承認、傾聴、フィードバックを
ご紹介する内容となりました。

この3つはコーチングセッションの要ともいえる技術ですが、
今回の講演コンテンツを仕立てていく過程で、コーチングに
おける「対話」について、自分自身も様々な気づきを得られ
ました。その意味でも有難い機会でした。

対話については、今年7月のメルマガで2回ほど触れ
ましたが、また機会をみてバージョンアップしたお話を
しようと思います。

さて、今週から「リフレクション」について少々お話を
していきたいと思います。

~~ リフレクション(内省)とは? ~~

リフレクションと呼ぶと軽快ですが、
内省(ないせい)と表すると少々重たいイメージがします。
おそらく「反省」とイメージ的に重なるせいかもしれません。

「反省」は必ずしも過ちや間違いを正すだけの行為ではないのですが、
ビジネスの世界では、人への叱咤や、忠告に使われることが
多いからでしょう。

内省は、簡単に言えば
「自分と向き合い、気づきと学びを得るプロセス」です。
瞑想を習慣としている人、日記を毎日書いている人などは
無意識のうちに、ある程度のリフレクションを行っているとも言えます。

自分自身と向き合い、経験の棚卸をし、過去の出来事や
その時の感情や思考を振返り、新たな考えや洞察を得ます。
そして、そこから学びを得て、成長することを目的とします。
仕事において改善や新しいアイデアを生み出す機会にもなります。

~~ リフレクションが注目されている理由は? ~~

そうしたリフレクションが、今注目されている理由のひとつが、
経済産業省の主催による有識者会議で取り上げられた
「人生100年時代の社会人基礎力」を養い発揮する
ためにリフレクションが必要、と謳われているからです。

各省は有識者をあつめてワーキンググループを形成し、
社会の在り方や課題を論じ、提言していく研究会を
推進していますが、そのひとつに2017年に遡る
「我が国産業における人材強化に向けた研究会」という
研究会があるようです。

そこで謳われている社会人基礎力とは、

1.前に踏み出す力
・主体性
・働きかけ力
・実行力

2.考え抜く力
・課題発見力
・計画力
・創造力

3.チームで働く力
・発信力
・傾聴力
・柔軟性
・状況把握力
・規律性
・ストレスコントロール力

以上、3つの能力・12の能力要素としてまとめ
られています。

そして、『人生100年時代の社会人基礎力』
説明としては、
「これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との
関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続ける
ために求められる力と定義され、
社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を
内容としつつ、能力を発揮するにあたって、
自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、
目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを
切りひらいていく上で必要と位置付けられる。」

・・・と紹介されています。

どう活躍するか?—>目的
何を学ぶか?  —>学び
どの様に学ぶか? —>統合
のバランスを図りながら、リフレクションを重ねて
人生100年時代を生き抜こう!ということなのですね。

なにやら、どんでもない挑戦を突き付けられている
様な気もします。

~~ 磯野波平でいられない今日 ~~

色々なスピーチや場面で、マハトマ・ガンジーの名言、
「明日死ぬと思って生きなさい
永遠に生きると思って学びなさい。」
が、取り上げられることをよく目にします。

歳を重ねても学ぶことの大切さが叫ばれていることは、
コーチ、研修講師を生業にする私としては嬉しい
傾向なのですが、
「人生100年ですよ!
何を、どの様に学んで、どう活躍するの?」
と迫られても、当惑するばかりでしょう。
年配の方ならなおさらです。

アニメ「サザエさん」に登場するお父さん、
磯野波平さんの設定年齢は54歳。
趣味は多く、囲碁、盆栽、釣り、俳句などです。
アニメの放映開始は1969年だそうですから、この昭和当時の
人生観では、55歳で定年。
あとは趣味を楽しみ孫たちと遊んで余生を過ごす、というのが
当り前でした。

それが今や、「54歳なんて人生折り返しですよ」・・と。
どうしましょう?

それをじっくりと、かつ現実的に考えていくひとつの方法
として、リフレクション(経産省の資料では内省ではなく、
「振り返り」という平易な言葉で表現されています)が
有効だとされているのですね。

リフレクションは様々な状況で行われます。
また、コーチングと重なる考えもあり興味深いです。

リフレクションの具体的実践、コーチングとの比較に
ついては、次週以降にお話していこうと思います。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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