家康が熟知していた家来との距離感

コーチングが機能するためには、クライアントと
「対等、平等の立場」を作るという大前提があります。

要するに、いかに「本音」で話ができる関係になれるか?
ということです。

職場においては、本音で話せる上司は理想的だろうなぁ~
と思っていたら、

「サラリーマンにとって理想の上司」と言われてきた
徳川家康が頭に浮かびました。
今日はそのお話したいと思います。

~~ 理想の上司はイメージが作る現代 ~~

理想の上司ランキングなるものは昔からあって、
いまでも生命保険会社や新聞社など発表する
ランキングには興味を惹かれます。

しかし、評価の軸はイメージであって、メディアに多く
露出している人、つまり、役者、お笑い芸人、キャスター、
スポーツ選手、ミュージシャン、などが対象で、恒例の
明治生命保険のアンケート(今年2月)では、
男性上司は、内村光良さん、櫻井翔さん、桝太一さんが
TOP-3で、「親しみやすい」、「知性的」、「スマート」、
「頼もしい」という理由。

女性は、水ト麻美さん、天海祐希さん、アンミカさんが
TOP-3。
理由として「親しみやすい」「頼もしい」「姉御(肌)」、
「明るい」などが挙げられていました。

理由で挙げられている「イメージ」が、「共感」を呼び、
それが「理想」という形になるのですから恐ろしいですね。
この人達が発する、言語、非言語のコミュニケーションの威力です。

好評価を投じた人達は、このTOP-3の人達が話している
内容を理解して、知性的とか頼もしいとかを判断している
のではなく、使う言葉、話し方、声のトーン、仕草、表情、
目線、服装、反応の仕方、他人との会話の仕方、
などによって、そうしたイメージを持つのだと思います。

ですから、芸能人、有名人でなくとも、心がけによって自分の
言葉使い、話し方、振る舞い等に配慮することで、
好イメージは作れます。この努力を怠ってはいけませんね。

少なくとも、このアンケート結果はそれを教えてくれます。

~~ 理想の上司に挙げられる徳川家康 ~~

さて、有名人の「イメージ」から「理想」が形成されるのは、
現代の職場文化の特徴のひとつかもしれませんが、
昭和の時代は、サラリーマンの理想の上司として「徳川家康」が
TOPに上がっていた時代がありました。

昭和55年に社会に出た私ですが、当時の上司も山岡荘八の
徳川家康(全26巻)を3回も読み直しているという人でした。

今でも、「戦国武将から理想の上司を挙げるなら」という範囲を
特定したものでは、徳川家康が1位にランキングされるアンケート
結果は多いです。

実は私は徳川家康の全巻を読破しているようなファンでもなく、
ドラマや小説で多少の知識を得た程度なのですが、
家康の次の言葉を、研修で引用することがあります。

これが、徳川家康が理想の上司にランキングされる理由
なのかと、考えさせられる言葉です。 それは、

「大将というものはな、敬われているようでその実家来に絶えず
落度を探されているものじゃ。 恐れられているようで侮られ、
親しまれているようで疎んじられ、好かれているようで憎まれて
いるものなのじゃ。」

と・・・
これは上述した山岡荘八の「徳川家康」からの引用なのですが、
「大将とは」というタイトルで毛筆で書かれた置物や額などにも
記されています。

今風に言えば、
「上司というものはね、尊敬されているようだけど、
実際は部下にいつも粗さがしをされいるものです。
恐れられているようだけどバカにされ、
親しまれているようだけど遠ざけられ、
好かれているようだけど憎まれているもの、なんですよ。」

これは、自嘲でも自己卑下でもなく、部下との関係性の
微妙さを俯瞰して言語化した見事な言葉だと思うのです。

「大将とは」と銘打っているのは、
こうした矛盾する現実を抱え込んだ上で人心を掌握してこそ、
大将(リーダー)としての度量と人望がある」
という意味なのでしょう。

家康は、その知恵と優れた戦略によって天下統一を果たし、
その後の幕府を長期に安定させる組織、体制作りも
成し得ました。

そして、リーダーとして人を動かす力も一流でした。
家康は家臣、家来たちを尊重し、モチベーションを高め、
彼らの能力を引き出すことがうまかった。
公平さを重んじ、家来との信頼関係作りもうまかった。
家来が活躍できる機会を多く作った。
と、言われています。

それだけ人を大事にしながらも、
「俺がこれだけのことをしてやっているのだから」
「こんなに皆のことを考えているのだから」
「俺は何よりも人が第一だと思っているのだから」
と、自己満足心から生まれる家来からの尊敬、盲従を
もとめず、大将と家来の間にある払拭できない
「距離感」を冷静に見つめていた。そしてその距離感を
悪いものとせず受入れた。
「大将とは」にはその気持ちが記されていると思います。

それが結果的に人心を掌握することに繋がったのでしょう。
2022年3月4日のブログに書いた
清水次郎長の考えに似ていると思います。
https://dreampl.com/HP/?p=35

ここまで書いていたら、家康についてもう少し勉強
したい気持ちになってきました。
今年のNHK大河ドラマも観ていないし・・・

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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