起業後の2年を振返って思うこと

今年もあと64時間を残すこととなりました。
2023年は皆さんにとって、どの様な年でしたか?

今日は、私の個人事業主として独立後の丸2年を
振返って、思うところを記してみたいと思います。

~~ 会社勤めだからこそ自然に存在した「リソース」 ~~

社会に出て最初に勤めた会社は、外資系とはいえ
伝統のある、結構大きな所帯で、そこで20年間勤めました。
社会人としての基礎を教えて頂いた会社です。

その後は結構忙しく会社を変わるのですが、
一貫して外資系IT企業でした。
「転社はすれど転職はせず」というのは拙著に記した
通りです。

会社が変わる度に思ったことは、「企業文化の違い」も
さることながら、使えるリソースが違うということ。

また、職位が上がれば権限が増える、使えるリソースが
増えるということも自然に起こりました。

キャリア終盤の2社はスタートアップ企業だったので、
日本法人として歴史が継いでくれたリソースは少なく、
(最後の一社は完全にゼロから)それらを
作り、獲得していく過程は厳しくもあり、楽しい経験
でした。

さて、ここまで連呼してきた「リソース」ですが、
改めて言うなら、自分が有する資源、活用できる資源です。
企業の場合、基本は、人、物、金、ですが、加えて
情報、ノウハウ、ブランド、信用、顧客、取引先、
パートナー企業、なども入ってきます。

ちなみに、コーチングでは、知識、経験、人脈、財力、時間、
なども対象に考えます。

会社で働いている時は、多かれ少なかれこうしたリソースに
恵まれていたのですが、いざ個人事業でスタートを切ると、
リソースのスケールが異なることを痛感しました。

~~ 他者が「してくれていた」大切なこと ~~

個人事業主ですから、一人社長です。
「なんでも一人でやらなきゃならない環境」は、自由との
背中合わせだと思えば辛くないのですが、
あらためて「他者がしてくれたこと」を思い起こせば、
その有難さに嫌でも気づきます。

私と一緒になって、
提案書を作成した人、
売上を作った人、
プロジェクトを推進した人、
お客さんのサポートした人、
トラブル対応をした人、
イベントを企画した人、
採用活動をした人、
等々、どれだけ人に助けられてきたか・・・・

そんなことを回想するうちに、
過去に他者が自分に対してしてくれた
一番有難かったことって何だろう?と考えてみました。
もちろん、どれも感謝に値することなのですが。

答えは即出ました。
「安藤という人間を知ってくれたこと」
です。

別の言い方をすれば、「関係性を築いてくれたこと」なので、
「そんなの当たり前じゃん。要は知り合うことでしょ。」
「それが、してくれたこと、なの?」という声も聞こえて
きそうです。

しかし、社外では名刺を一回交換しただけで、それきりの人も
沢山いましたし、大所帯であれば社内でも会議で会って
顔を知っているだけの人も少なくありませんでした。

相手への「関心」や「知る必要」をもっていなければ関係性など
生まれません。そして「袖すり合うも他生の縁」の通り、
相手との「縁」を大切に受け入れる気持ちも。

新入社員としてチームに私を受入れた上司、
同じチームで「どんな奴だろ?」と関心を持った仲間、先輩、
「今度のボスってどんな人?」と心配顔だった部下、
「よろしくお願いしますよ」と気さくに挨拶してくれた取引先、
・・・・、
皆、私という人間を知ってくれて、その関係性の上で
仕事をしてきた人たちです。

私の長所、短所、性格、操縦方法、等々を理解して、
様々な苦楽を共にしてくれた人達です。

自分を知ってくれた、理解してくれた人たちの存在の
有難さに気づくのです。

~~ 個人事業を推進する2つの道筋 ~~

しかし、個人事業を起こしてみて思うのは、
「安藤さんって、どういう人?」
「何故、(この仕事は)安藤さんでなければいけないの?」
への回答から始めなければなりません。
ここは辛いところです。

企業人だった頃、
「会社の看板でなく、個人の能力や人間力で仕事をするのだ」
と息巻いていた時期もありましたが、同時に、
社名、ブランド、組織名、役職、などが自分の仕事をうまく進める
ために大いに役立っていることは自覚していました。
加えて「自分を知ってくれた人達」がいます。思えば何の不足も無い
環境でした。

ところが、今は状況が大きく異なります。

そこで、個人事業を推進するにあたり2つの道筋があることに
気づきました。

ひとつは、「私を知っている人」「理解してくれている人」からの
紹介で開拓する方法。いわゆる「人脈を頼る」ということです。
もう一つは、今まで全く知らない人たちへのアプローチです。
「安藤とは何者か?」「大丈夫か?」「信頼できるのか?」から
訴求していかなくてはなりません。
ブランド作りですね。

起業する人が、前者の人脈を大切にし、頼りにする気持ちがよく
わかります。
新規ビジネスの実績はこの既知人脈ルートで開拓し、次に
新顔としての市場に踏み込んでいく、という手順がセオリーでしょう。

但し、人脈頼りルートに成功が約束されているとは限りません。
新顔ルートへの戦略も同時に考え、2つの道筋を模索している
という状況です。

さて、ここまでのお話で、
要は「人脈を大切にせよ」ってことですよね、と思われた方、
そのご理解で間違いではありません。

ただ、私がお話したかったのは、「人脈」というのは日々ボンヤリと
会社勤めをしていたら出来てしまうものでないということです。

「自分を知ってくれる人」の大切さと、そういう人達を自分の
周りに増やしていくことは、一朝一夕には出来ない。
そのことを、企業人を卒業して、個人事業主になって
痛感した、というお話です。

私は、自らを万人の人望を集める人格者などとは思いませんが、
これから個人事業主としての新たな人脈は築かねばなりません。
まず「人柄」を伝え、それが「信用」や「親しみ」となっていくような、
言い換えれば「ブランド作り」になるのでしょうか。

「リソース」と「自分への理解者」に恵まれてきた幸せな時代を
回顧しつつ、2024年がビジネスの飛躍の年となるよう、
様々な策を打っていこうと考えています。

今日のお話はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様とご家族にとって2024年が素晴らしい年となりますよう。
心からお祈りいたします。

来年もよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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