怒りの感情と上手につきあう(その2)

新型コロナ感染の第7波の勢いが増す最中、
とうとう私も感染してしまいました。

4回目の接種を受けた後の、先週の土曜日に受けた
PCR検査で陽性判定。7月25日まで外出禁止の自宅療養です。 

幸い初めから症状は軽く、既に自覚症状は消えているのですが、
慎重を期して過ごしたいと思います。

オンライン化が普及したとはいえ、私のコーチ、研修講師業は
人と接し、話をすることが商売なので、
感染の危険を甘くみていたことはないのですが・・・

心のどこかに「自分だけは大丈夫」という慢心が
あったのだろうと思います。

それゆえ、症状の重い軽いよりも、
感染したという事実に少々ショックでした。

皆さまも、くれぐれもお気をつけください。

さて、前回に引き続き、
今週もアンガーマネジメントのお話です。

~~ 怒りの正体 「べき」 ~~

怒りを生んでいる正体は、特定の「人」や「事」ではなく、
人がそれぞれが持っている、「べき」、
つまり「当然」「常識」「当たり前」であることを、
前回までお話しました。

この「べき」が裏切られたり、侵害されたり、否定されたり、
蔑ろにされたり、あるいは、叶わなかった時に、
私達は心にイライラや怒りを生じるわけです。

この「べき」には、2つの特徴があります。

ひとつは、「すべて正解」
つまり、それぞれの人にとっての常識ですから
「それは違う」「おかしい」「間違っている」という言葉は
通用しません。

もうひとつは、「人それぞれ違う「べき」を持っている」ということです。
ひとつ目と根っこは同じです。
個人個人が持っている信条、常識ですから、
「私の「べき」は、誰々と同じだ」と、即断するのは間違いです。

ここで少し、あなたのイライラや怒りを覚えた時の経験を
思い出してみてください。
それは、あなたのどの様な「べき」が裏切られたから生じたのでしょう?

  • レジでは素早く支払いを済ませるべき。
  • 待ち合わせの時間は守るべき。
  • 公共の場では、自分のゴミは持ち帰るべき。
  • 新人は大きな声で先に挨拶するべき。

・・・等々、イラつきや怒りの背景に、こんな「べき」が
透けて見えそうです。

怒りが生まれるメカニズムは、ライターに例えられます。
人が持つマイナスの感情や状況、
例えば、悲しい、辛い、不安、恐怖、孤独感、や
眠い、疲れた、空腹、等が、ライターのガスの様に心に溜まり、
それに「べき」が発火石となって、怒りが炎として生じます。

「べき」が着火点となるにせよ、生ずる炎の大きさが異なるのは、
マイナスの感情や状況の溜まり具合によるガス圧の違いと言えますね。

~~ アンガーマネジメント 3つのコントロール ~~

さて、では怒りが生まれてしまった時、アンガーマネジメントでは
どの様に対応することを提唱しているでしょうか?

それは3つのコントロールです。

1.衝動のコントロール
2.思考のコントロール
3.行動のコントロール
の3つです。

これらコントロールを順番に行っていきます。

「え~、怒りって瞬間的なものじゃないですか~
コントロールを3つ順番になんて、悠長なこと
できるんですか?」

という疑問の声が聞こえてきそうですが、
はい、出来るのです。
しかも、辛い修行を通じて身につける様なものでもありません。

「コントロール」と呼んでいますが、
それぞれが「自分の感情と向き合い、考える機会」となります。

そもそも、人は普段の生活の中で、
「自分はどの程度怒っているのだろう?」 とか、
「自分の「べき」は、どこに許す、許さないの境界線を
持っているのだろう?」 とか、
「自分が重要だと思っていることは何だろう?」 とか、
あまり考える機会を持ちません。

アンガーマネジメントは、3つのコントロールによって、
その機会を与えてくれます。

そして、それを習慣とすることで、
感情にふりまわされる自分にならず、
「怒ること」と、「怒らなくていいこと」との間に線引きが出来る
ようになることを目指すのです。

では、順を追って説明していきましょう。

~~ 衝動のコントロール ~~

先ず、衝動のコントロールです。

ここで最も大切にしているのは、「反射しないこと」です。
「反射」とは、考えることなしに発言したり、行動したりすることで、
その結果は、後悔に結び付くことがよくあるからです。

そこで、
「イラっとしたら、カッとなったら、6秒待つ」
これが、衝動のコントロールになります。

誤解して頂きたくないのは、
6秒待つと怒りが消える、というわけではありません。
また6秒の間に、反撃のための怒りエネルギーを充電する、
などということでも、もちろんありません。

諸説ありますが、6秒経つと人間の脳に「理性」が
介入してくると言われています。

これが「6秒待つ」ことの目的です。

理性が介入しても怒りの感情が残っていることは当然あるでしょう。
しかし、一旦理性が介入していれば、
反射的に、暴言を吐く、恐ろしい顔を作る、
モノに当たる(あるいは投げる)、暴力に転じる、等々、
後悔に繋がる様な言動は避けられるということです。

~~ 怒りの数値化イメージをもつ ~~

この「6秒待つ」ために、数字をカウントダウンするとか、
深呼吸をするとか、様々な方法がありますが、
比較的簡単で有効なものに、「スケールテクニック」があります。
ご紹介しましょう。

  • 温度計をイメージします。
  • メモリは下が0、上が10とします。
  • 先ず、0を「平穏な、安らかな気持ち」とし、
  • そして、

温度の高い、低いは問題ではありません。
そして自分だけが分かっていればよい話です。

そもそも、怒りの感情の数値化など出来るわけがありません。
しかし、その極めて主観的なもの(感情)を客観視して、
数値化してみることが大切なのです。

スケールテクニックを繰り返すことが、
ご自身の感情を冷静に見つめてみるという習慣につながります。

最初は高い温度をつける方が多いです。
何故なら「ご自身の怒りの正当性」を強く持っているからです。
しかし、怒りを何度も計っているうちに、徐々に測定温度は下がってくる傾向が
見られます。
前述したように、温度の高低は問題ではないので、測定値が
下がることを目的とはしていません。しかし、
怒りの感情を冷静に眺めていくことで現れる、興味深い傾向です。

今日のお話はここまでにしましょう。
次回は、アンガーマネジメントの3つのコントロールのうちの2番目、
「思考のコントロール」についてお話を進めてまいります。

最後までお読み頂きありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門

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