宇多田ヒカルも唄った神学者の祈りとは?

4月も下旬となり、
新年度、新入学、新学期を機に生まれた、
新しい人との出会いが、徐々にこなれてくる、
人の縁が一段広がる喜びが実感できる、
そんな時期ではないかと思います。

さて、今日は「変化」についてお話です。

様々な言い回しが出てきて、
少々面倒くさい文になりましたが、
何卒ご容赦ください。

~~ ニーバ―の祈り ~~

「ニーバーの祈り」 という有名な詩があります。

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神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホルド・ニーバー(米国の神学者 1892-1971)
大木英夫 訳(日本の神学者、東京神学大学名誉教授)
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何か、心に響くものがありますね。

宇多田ヒカルが2000年4月にリリースしたミリオンセラー
「Wait & See ~リスク~」の歌詞はニーバーの詩に
影響されたものだと、ネット上でも取り上げられているので
ご存知の方も多いと思います。、

♪♪ 変えられないものを受け入れる力
そして受け入れられないものを変える力をちょうだいよ ♪♪
(宇多田ヒカル「Wait & See ~リスク~」)

そして、コーチが行う研修や、セッションの中でも
好んで引用されています。

私がコーチングの研修で初めて出会った文言は
極めてシンプルにアレンジされており、

「変えられるものを変える勇気を。
変えられないものを受け入れる冷静さを。
そして
両者を識別する知恵を与えたまえ。
ラインホールド・ニーバー」

でした。

この表現の方がストレートであり、
心を動かすメッセージとして十分でした。

何故なら、コーチングでは次の様なお約束があるからです。

~~コーチングで扱っていることは?~~

コーチングでは基本的に、問題や課題を対象として扱いません。

問題や課題に対峙しているクライアントを扱います。
つまり、クライアントが抱えている問題や課題の解決法について
アレコレ考えることより(時にはそれが必要なケースもありますが)

先ずは 

  • この問題、課題をクライアント自身がどう扱おうとしているのか?
  • どういう思いを持っているのか?
  • どういう行動をとるのか?

対峙する問題や課題の多くはコントロールできないもの、
すなわち「変えられないもの」であることが多いからです。

それよりも「変えられるもの」、すなわち
自分の考え、視点、行動、に眼を向け、
勇気をもって自らその変化を起こす方が、
結果として問題や課題を突破して、次のステージへ
あるいは理想に一歩でも近づく環境に
自分を運ぶことが出来る、という考えに基づいているからです。

このコーチングのセオリーが故に、
コーチングでニーバーの詩が引用された理由が
ご理解頂けると思います。

上司がこうだから、会社がこうだから、
親がこうだから、
自分を取巻く環境がこうだから、
自分が歩んできた道がこうだから・・・・等々

この様な「変えられないもの」を受入れて、
では今自分はどうしようか?何を変えていこうか?
と考えてみることの大切さが伝わってきます。

~~変化の4段活用~~

とはいえ、最後の一節が難しいかもしれません。
「変えられないもの」と「変えられるもの」を
識別する知恵・・・・です。

そして「識別する知恵」は
さらなる拡大を求められます。

以下は、大木英夫教授が訳された原文ですが、

The Serenity Prayer

God, grant me the serenity
to accept the things I cannot change,
courage to change the things I can,
and the wisdom to know the difference.

ここで扱っている「変化」は、can と cannot
すなわち「出来る」と「出来ない」です。

そして私は「変化」には、あと2つあると考えています。
should(あるいはmust)とshould not
「変化すべきもの」と「変化すべきでないもの」です。私は「変化の4段活用」と呼んでいますが、

  • 変えられるもの
  • 変えられないもの
  • 変えるべきもの
  • 変えるべきでないもの

です。

最初の2つは、自分の主体性を問い、励ますものとして、
後の2つは、ビジネス目線、組織改革の場面で
考えるようにしています。

ビジネスで
変えるべきもの
=旧態然とした企業文化、ジェンダーバイアス、形骸化したプロセス、等
変えるべきでないもの
=企業のミッション、品質目標、ゴール期日、等

です。
難しいのは、「変えるべき」ものが、「変えられないもの」と
重ね合わせて扱われることがあることです。
旧態然として企業文化などはその典型かもしれません。

「変えるべきなんだろうけど・・・難しいんだよね。
何年経っても結局、変わらないから・・・・」
よく耳にする台詞です。

「妥協」というものが生まれる瞬間です。
改革やイノベーションの障害となる産物です。、

個人の人生においても、職場においても、
様々な「変化」に直面することは多いですが、
それを「変えられるもの」としてチャレンジするか?
「変えられないもの」として受入れるか?

この様々な視点を持つことを支援することが
コーチングの価値のひとつだと思います。

変化の4段活用。
ご自身と、皆さんの周りを見渡して、
ちょっと考えてみてください。

今日のお話はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。

株式会社ドリームパイプライン 代表取締役   1980年、新卒で日本NCR株式会社にてキャリアをスタートし、以来一貫して外資系IT企業に勤務。   営業、営業企画、マーケティング、製品開発、製品管理、市場開発、米国本社勤務、事業部長、等の領域でマネジメント職を経験。   2001年、日本NCRを退職後、米国、ドイツ等を本社とする大手IT企業数社の日本法人にて要職を歴任。    2013年より、組織の人材育成、組織活性化のためにコーチングを学び始め、プロフェッショナルコーチ認定資格を取得。修得したコーチングスキルを多様な価値観が求められる外資系IT企業におけるマネジメントに活用しながら(社)日本スポーツコーチング協会の認定コーチとして、高校、大学のスポーツ指導者へのコーチング活動を実施。   2015年から、米国のスタートアップ企業の2社の日本代表を歴任し2021年12月退任。人材育成支援を目的とし、株式会社ドリームパイプライン設立。 著書 『ニッポンIT株式会社』   https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/    Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得    「実践経営・リーダーシップ」部門、「ビジネスコミュニケーション」部門、「職場文化」部門